ミキモトに入り受付の女性に

 

「結婚指輪を見に来たんですが」

 

「ブライダルジュエリーは

6階でございます

ご案内させていただきます」

 

エレベーターで6階に上がり

フロアーに着くと男性スタッフが来て

 

「申し訳ございません

本日はもう予約がいっぱいの状況

なのですが少しお待ちいただければ

対応できるスタッフがおりますので

店内をご覧いただきお待ちいただい

てもよろしいでしょうか」

 

「はい、大丈夫です」

 

店内を見ながら

 

「やっと相手にされたね」

 

「そうだね」

 

「これとそっちの少しデザインが

入ってるの見たかったの」

 

「うん、いいね」

 

数分待っていると

 

「大変お待たせ致しました」

 

30歳前後の小柄で目がパッチリ

した可愛らしい女性スタッフが来て

 

「私、本日担当させていただきます

佐藤陽子(仮名)と申します

どうぞよろしくお願いいたします」

 

「お願いします」

 

「マリッジリングをお探しとのこと

おめでとうございます!

どのようなリングでお考えでしょうか」

 

「2.5mm以上で3mm以内の

シンプルなプラチナリングで

探していまして

これとそっちの枠に少しデザインが

入ったのも見たいです」

 

「かしこまりました

サイズはお分かりになりますか?」

 

「分からないです」

 

「では確認させていただきますので

左手を見せていただいてもよろしいですか」

 

「はい」

 

「9か10だと思いますので

こちらお試しいただいてもよろしいでしょうか」

 

サイズを測るためのリングを着け

 

「こっちがいいです」

 

「10ですね

お客様もよろしいですか」

 

「はい」

 

「14か15だと思いますので

こちらをお試しください」

 

「これですね」

 

「15ですね

リングの準備をさせていただき

ますので少々お待ちください」

 

 

「感じのいい人だね」

 

「ちゃんと教育されてる感じするね」

 

 

「お待たせしました

こちらが2.8mmのストレートと

2.8mmの外側にデザインが入った

リング、もう一つ3.4mmのリングも

ご準備させていただきました

是非ご着用ください」

 

「ありがとうございます」

 

2.8mmのリングを着けると

大きめな鏡を出され

 

「こちらでご確認ください」

 

「はい」

 

「とてもお似合いです

今日のお召し物とネイルの色が

合っていて素敵ですね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

デザインの入ったものと

3.4mmのリングと試着して

 

「最初のが一番着け心地がいいかも」

 

「こちらのリングは内側にも丸みがあり

指にフィットして長くしていても

違和感なく着けていられるリングになります」

 

「写真撮ってもいいですか?」

 

「もちろん撮ってください

ただ値札だけはご遠慮させていただいて

おりますのでお時間いただければ控え

を私の方で作成させたいただきますが」

 

「お願いします」

 

「かしこまりました

暫くお待ちくださいませ」

 

 

「フクさんどうだった?」

 

「どれも悪くなかったよ」

 

「外枠にデザインが入ってるの

写真で見たら可愛いと思ったけど

実物はデザインが小さすぎるから

ただ曇ってるように見えるよね」

 

「くすみ化工した感じはするね」

 

「汚れているみたいに見えるから普通の方がいいのかな」

 

 

「お待たせしました

リングの絵も描かせていただきました

絵心がなく申し訳ございません」

 

「いいえ

すごく分かりやすいです」

 

「ありがとうございます

次回ご来店していただけた際は

こちらをご提示いただけましたら

すぐ分かるようにしておきますので

是非お持ちください」

 

「はい」

 

「また今月ブライダルフェアを行って

おりまして6月中ですとミキモトの

オリジナルシャンパンをプレゼント

させていただいているのとフォトサービス

があるのですがブーケの貸出もしており

ますので6月30日までにご検討いただければ幸いです」

 

「わかりました

サイズ直しは有料ですか?」

 

「お渡ししてから1年は1回無料で

その後は有料となってしまいますが

大きくも小さくも3ずつ対応可能です」

 

「まだ入籍日が決まっていないんですが

リングの刻印は後日でも大丈夫ですか?」

 

「はい、お渡しの日から3か月は

無料で対応させていただいております」

 

「ありがとうございます」

 

「他に確認しておきたいことなど

ございますでしょうか?」

 

「大丈夫です」

 

「不明点がございましたら電話で

佐藤宛にご連絡いただければ

対応させていただきますし

今後ネットで予約の際も備考欄に

佐藤と書いていただければまた私

佐藤が対応させていただきますので」

 

「はい」

 

「二人のことは忘れないので

いつでもお気軽に佐藤までご連絡ください」

 

「ありがとうございます」

 

エレベーターの前まで案内してもらい

 

「いつからお探しなのですか?」と聞かれ

 

「今日からです」

 

「そうなのですね!

お二人にとって素敵なリングに

出会えることをお祈りしております

エレベーター来ました、どうぞ」

 

「ありがとうございます」

 

「ありがとうございました」

 

深く頭を下げる佐藤さんを見て

フクさんも45度に頭を下げるから

 

「営業じゃないんだからしなくていんだよ」

 

「あ、あまりにも素晴らしい

接客だったからつい」

 

「佐藤陽子さん

ずっと笑顔で丁寧で素敵な人だったね」

 

「さすがミキモトの本店て感じだよね」

 

「売り込まれてる感じはするけど

全然嫌味もないし感じいいし」

 

「服とネイルも褒められてたよね」

 

「そう、褒め上手だし

佐藤連呼してて選挙活動かって

思ったけどそれも逆に良かったし」

 

「佐藤って絶対覚えるよね

俺たちのことも絶対忘れないって言ってたけど」

 

「ある意味すごい人だよね、陽子

ミキモト来て良かったかも」

 

「うん、楽しかったね」

 

「次は大本命のティファニー行こ」

 

つづく