一度自分の気持ちを落ち着かせて

 

「じゃ二人で決めていこう」

 

他にかかる費用や二人の小遣い

貯金について話をして

 

「実際のところ暮らしてみないと

わからないけどこんな感じだよね」

 

「賞与は俺はこんなもんだけど

それはどうする?」

 

「それはお金の話し合いをし始めた

ときから話してると思うけど

賞与は会社に結果を残した自分の

頑張りで得た収入だと思うし

もらえないこともあるかもしれないし

個別の管理でいいと思うよ」

 

「・・・え?そうなの?」

 

「それは最初から言ってるでしょ

そこから帰省したり好きなもの

買ったり勉強の費用に充てたり

すればいんじゃないの」

 

「そっか

それを聞いて気持ちが軽くなった」

 

「最初から言ってたよ」

 

「俺は野ばらみたいに頭良くないから

理解するのに時間が掛かるんだよ」

 

「・・・私がせっかちだからね」

 

「数字にして理解もできて

お金に対して不安がなくなった」

 

「そっか、良かった」

 

「野ばら、おいで」

 

手を伸ばして抱きしめようとするから

 

「まだそんな気持ちにはなれない」

 

拒否をするとすぐに身を引いて

 

「ソフトクリームもっと食べる?柿ピーは?」

 

「ううん、大丈夫

フクさん食べたい?」

 

「俺も大丈夫」

 

「じゃここ出ない?

騒いじゃって申し訳なかったし

ネカフェの環境、あまり好きじゃないかも」

 

「分かった、違うところに行こうか」

 

ネカフェを出て

 

「○○の中に座って話せる

ところあったよね」

 

「そうだね、行ってみよう」

 

ちょうどよく人に聞かれずに

話せるところを見つけ

 

「お金のことも話できたし

フクさんは他にある?」

 

「今は別にないかな

また一週間何かあるか考えてみるよ」

 

「また一週間考える?」

 

「何か問題がないかどうか」

 

「今は何もないのになんで何かあるか考えるの?」

 

「もしかしたら何かあるかもしれないだろ」

 

「もうここ4週間たくさん話して

なんなら2か月たくさん考えて来たよ、私は」

 

「・・・そうかもしれないけど

最終確認というか整理したいし」

 

「何の整理なの?」

 

「今日お金のことが解決して

最終的な気持ちの整理だよ」

 

「そうやってフクさんは結婚する

決断を先延ばしにしたいだけでしょ?」

 

「違うよ、もう結婚はするよ

でも最終的に何かないか考えたいだけで」

 

「考えた先に何があるの?

考えて何が変わるの?

もうこんなこと4週間も繰り返してるんだよ」

 

「まだ4週間だよ」

 

「もう疲れた

話したくない

ずっとフクさんは考えてなよ

私は付き合いきれないよ」

 

フクさんの考えが固まるまで

返事を待とうと思っていたけど

 

何度も繰り返されるフクさんの

『考える』にこの先どんなに話した

としても結論なんてでない気がして

また気持ちが抑えられなくなっていた

 

「野ばらこっち向いて」

 

「イヤだ」

 

「話そう?」

 

「ムリ」

 

「ごめん」

 

「本当にイヤ

もう話したくない」

 

 

 

「分かった

もう話し合いはこれで終わり

結婚しよう」

 

 

 

つづく