「お金は大まかなことは

もうお互い納得して後は細かい

ことを話していこうとなったよね?」

 

「あれからよく考えて

やっぱり納得ができないというか

俺は俺のお金を自由に使いたい」

 

「自由に使えないわけじゃないよ

大きいものを買うときとか

何かをするときに結婚前の自分の

貯金からじゃなくて二人の貯金から

出すことになったら相談は必要だと

思うし今後の貯金や投資にしたって二人の

未来のために考えていきたいと思ってるけど

根本的には今まで通り欲しいものは私も

欲しいと思うしそれはお互いさまでしょ?」

 

「そうなのかもしれないけど49まで

何をするにも何を買うにも自分一人で

決めて別に無駄使いはしてないけど

好きにしてこれた

でも結婚するとそうじゃなくなると

思うと自分のモチベーションが

保てるかどうか分からないし

窮屈になると思う」

 

「二人のために、はモチベーションにならないの?」

 

「俺が稼いだお金だから俺のためのお金が欲しい」

 

「・・・だったら

結婚なんてしない方がいいよ」

 

 

元主人の口癖が

 

「俺が稼いだ金、俺が使って何が悪い」

 

「なんでお前たちのために金をださなきゃいけないんだ」

 

ギャンブル依存症だったから

給料のほとんどをギャンブルに使い

離婚する直前は3千万の借金もあった

 

 

俺の稼いだ金

 

 

確かにそう

 

俺が頑張って稼いだ金

 

俺のために使って当然

 

 

でも

 

 

「だったら結婚なんてしない方がいいよ

俺の金、俺の時間

そんなに自由がいいならしなくていい!」

 

「・・・今、前回決めたお金のことを

よく考えてそれは嫌だからと伝えたけど

それで野ばらが無理だったらまた考えるよ

でも今すぐ答えをだせる覚悟はないから

もう少し待ってくれないか?」

 

「覚悟?」

 

「今まで一人で自由に生きて

きたことを結婚して変えられるか

の覚悟を再度考えたい」

 

「今まで覚悟がなかったってこと?

私との結婚を考えてなかったってこと?」

 

「そうじゃない

野ばらとは結婚したいとは思ってる

でもそれが本当にできるかどうか

もう少し考える時間がほしい」

 

「・・・そっか、分かった」

 

「ちゃんと話して結婚したいと

思えたらいいしもしかしたら

違うってなるかもしれないし

それを二人で考えて話して行こう」

 

「・・・

この間フクさん細かく結婚生活に

ついても話して決めていきたいって

言ってたけど他は?」

 

「・・・特にないかな

時間とお金のことがずっと

気になっていただけだから

それ以外はその時にならないと分からないし」

 

「・・・そっか」

 

 

結婚についていろいろ

決めたいと言ってたけど

それはただの口実で

 

フクさんが決めたいのは

自分の時間とお金

 

それが失われるくらいなら

私との結婚を考えたい

 

 

フクさんの本音は自由でいたい

 

 

それだけでしかなかったんだ

 

 

「煮詰まりましたか?」

 

男性店員が私たちの前に来て

顔を覗き込みながら声を掛けてきた

 

「あ、すみません

大丈夫です」

 

咄嗟にそう言ったら

頭を下げて去っていったけど

 

「煮詰まりましたって

おかしいよね?

普通は何かお探しですか、だよね?」

 

「結婚の話聞こえてたかな」

 

「・・・

申し訳ないし違うところに行こうか」

 

「そうだね」

 

外にでると雨も小降りになっていた

 

つづく

 

お金の話については細かいことを

書くとフクさんの個人情報を晒す

ことになるので軽くにしました

分かりづらい文章になり申し訳ございません