お休みの日だったけど

フクさんが午前仕事で

都内で待ち合わせして

 

ショッピングしてご飯を食べて

電車でフクさんのお家に帰り

 

暫くするとフクさんのスマホが鳴って

 

「知らない番号から電話だ」

と出ると

 

「はい、そうです

はい、はい、え?

分かりました、すぐに取りに行きます」

 

「どうしたの?」

 

「会社のバッグ、電車に置いてきた」

 

「・・・あ」

 

重たくて網棚に乗せたバッグ

そのまま置いてきてしまい

隣駅止まりの電車だったから

そこの案内所で預かってると連絡が来た

 

「野ばら待ってていいよ」

「ううん、一緒に行くよ」

「なんで置いて来たんだろう

普段こんなことしないのに」

 

ブツブツいいながら準備して

急いでお家を出て歩いてるとき

 

「会社のパソコンや書類がたくさん

入ってるからなくなってたらヤバいな」

 

「駅の人から電話来たし

すぐ見つかってるから大丈夫だよ」

 

「パソコンだけ抜かれてるかもしれないし」

 

「電車に人も少なかったし

誰も触ったりしないと思うよ」

 

不安そうなフクさんが

これ以上不安にならないように

前向きな言葉をかけながら早歩きで駅に向かい

 

電車に乗っても

落ち着かない感じだから

何か気がまぎれることをと思って

 

「卑猥しりとりする?」

と聞いたけど

 

「イヤ、、、大丈夫」

上の空で返事が来た

 

「そっか」

とフクさんの手を握って黙った

 

 

駅に着くとフクさんは

走り出しそれを必死で追いかけて

 

先に案内所についたフクさんが

駅の人と話してバッグを受け取り

中を確認すると紛失したものはなく

 

「ありがとうございました」

とお礼を伝えて案内所を出た

 

「なくなってなくて良かったね」

 

「うん、ほっとした

これからは網棚に置かないようにする」

 

「うっかりは怖いしね」

 

 

実はフクさん

私と一緒にいて物をなくすのは3回目

 

いつも見つかるから

『良かった』で終わるけど

 

一人のときは大丈夫なのかな?

と思ったりもする

 

 

私は心配性だから

酔っぱらっても物を

なくしたことがないんだけど

 

フクさんの性格なのか

年齢のせいなのか

 

今回は私も網棚に荷物を

乗せたのを見ていたから

ある意味同類?

 

 

高齢になるといろいろな物を

首からぶら下げたり

リュックにしたり

 

最終的には自分まで

忘れ物になるかもしれないから

 

 

気を付けなければ