フクさんの部下に

3月から親会社の年上男性が

出向で来ることになり

 

新卒からずっと同じ仕事を

してきた人が異業種で

しかも年下のフクさんの下に

配属になることにフクさんも

不安に感じていたから土曜

 

「大丈夫だった?」

と聞くと

 

「不安そうな顔してた」

「それはそうだよね」

 

「年上だし気を遣わずに

いようと思ってたけど

あまりにも不安そうだったから

ランチに誘ったよ」

 

「優しいね

二人で行ったの?」

 

「イヤ、俺だけだと荷が重いから

〇〇のマネージャーをしてる

人も呼んで三人で」

 

「〇〇をしてるってことは女性?」

 

フクさんの業界で昔

私も営業をしていて

〇〇という業務がどちらかと言うと

女性が多い部署なのも知っている

 

「そうだね」

 

「なんでその人なの?」

 

「なんでって

気も遣えるし適任だったから」

 

「フクさんにとって頼る人は

同じ営業の役職者じゃなくて

その女性ってこと?」

 

「女性たって同い年のおばさんだよ」

 

「同い年の人をおばさんって

言うのは好きじゃない

おばさんじゃなくて女性だよ」

 

「別に女性なんて思ってないし

3人でランチしただけだし」

 

「女性と行ったことを文句

言ってる訳じゃなくって

フクさんにとって会社で一番

頼るのはその人なの?って思ったの」

 

「そんなこと言ったら

野ばらだってこの間

林くんに頼ってたじゃん

今は仕事で関わってもいないのに

LINEでやりとりして」

 

 

現職で決算書を見る機会があり

不安になる財務状況だったから

 

経営陣に承諾を得て

過去三期分の決算分析をした

 

長く働いていた会社が経営コンサルタント

会社でコンサルのサポートとして

分析や報告書作成をしていたから

そこまで大きな会社でなければ

分析ができるしでも何点か気になることや

今後の対処法をどうするべきか私の分析

だけでは不安な部分もあったから元同僚で

今は独立してコンサルをしている林くんに相談をした

 

分析報告も無事終わり

そのときに経営陣に聞いた内容で

会社は危機的状況ではないと

分かったからホッとしたけど

 

それが分かるまでは

いい会社に入社できて

定年まで働くつもりでいたのに

もしかしたら会社が潰れるかもと

不安で仕方がなかったし

これから長く務めることを思うと

ちゃんとした分析報告をしなければ

いけないと緊張もしていたから

 

 

「あれは仕方ないよ

もしかしたら会社が潰れちゃう

かもって不安だったし

どうにかしたいと思ったからで

会社が存続するかどうかで頼るのと

ランチで頼るのでは全然違うよ」

 

「違わないよ

異性に頼るって意味では」

 

「違うの

女性と行ったことを言いたいわけ

じゃなくって例えばシステムのことを

SEに頼るとかなら適任だなって思うけど

ランチなんて誰でもいいと思うし

なんなら配属された人と二人だって

いいわけだし、でもフクさんにとって

会社で一番に頼りたいって思うのが

その女性なの?って聞いただけだよ」

 

「一番に頼るのがその人ではないよ

ただちょうど良かっただけで

こんなこと言われるのが

すごく不思議だよ

野ばらは男だらけの飲み会に

行ったりもするのに」

 

 

 

フクさんは

女性とランチに行ったことを

私が怒ったと思っていて

 

でもそうではなくて

 

同じ営業職や同じ役職や

同じ課の男性ではなくて

違う部署の女性を選んだことに

 

違和感を持った

 

精神的な部分で

フクさんがその女性を

会社で一番に信頼して

必要としてる感じが

したからかもしれない

 

そんなつもりはフクさんに

なかったのかもしれないけど

ランチはある意味業務中ではなく

プライベートな時間でもあるし

 

頼る人が女性

 

というのに違和感を持つ

 

私がおかしいのかな