8時前に目を覚まし
フクさんは気持ち良さそうに
寝ているけどくしゃみと鼻水と
目のしぶしぶに頭痛と気持ち悪さも
追加されてベッドにいるのが
辛かったから起き上がってシャワー
を浴びたりゆっくり準備を始め
10時前に部屋のドアが開く音が
してガチャガチャ物音がするから
行ってみるとホテルの人が
入口に朝食を置いていて
私の顔を見た瞬間
「わっ!」と言って
逃げるように出て行った
10時に朝食の予約してたから
持って来てくれたんだろうけど
勝手にドアを開けて入ってきた
のもびっくりだし何より顔を見て
逃げなくてもいいのに
「フクさん朝食来たよ
起きられる?食べる?」
「・・・うん」
パンケーキとサラダとスープの
シンプルな朝食
でも気持ち悪くて食べることができず
「フクさん食べる?」
「食欲ないの?」
「なんだか気持ち悪くもなってきた」
「体調崩した?」
「たぶんここから出たら
良くなると思う」
「そっか
ゆっくりしてて」
早く出たいけど朝が弱く
マイペースなフクさん
ゆっくり準備をしていて
急かすのも申し訳ないと
テレビを観て待っていたら
ソファーの左側の下に
木の小さな扉を見つけたから
換気ができるかも
ソファを少しずらして
木の扉を開けてみると
錆びだらけの窓枠の周りに
埃とGや他の虫の死骸も
いくつかあるのを見て
「ぎゃっ」
と言ってすぐに扉を閉めた
「どうしたの?」
「なんかすごいことになってる」
「何が?」
「すぐここからでたい」
「もう少し待ってて」
息をするのもイヤになって
ハンカチで口をふさぎ
先に出てようか何度も考えたけど
お誕生日のお祝いで来ているのに
それはひどいし外はホテル街だから
待っていられるような場所もない
それでもマイペースな
フクさんはゆっくり準備をして
やっと出られたのが12時過ぎ
「フクさんごめん
気持ち悪いからラーメン博物館
行けそうにないかも」
「大丈夫?家帰る?」
「たぶん時間が経てば大丈夫
横浜観光しに行こう」
そのまま横浜に移動して
軽く観光したけど体調は
全く良くはならずに
やっと復活したのが夜
フクさんのお家に戻ってから
何をしてもテンションも
上がらないし何も食べられない
私に付き合わせて横浜観光も
少しフラフラしたくらい
ホテルにいる時間だけではなく
こんなに長時間不調になるなんて
「あんなホテルでしかも一日
使い物にならなくてごめんね」
「気にしなくて大丈夫だよ
俺はラブホテル楽しかったし」
そう言ってもらえて
ホッとしたけど
あんなホテルにさえ泊まってなければ
そんな気持ちでいっぱいだった
つづく