結成15周年、メジャーデビュー10周年の今年、「何か新しいことにチャレンジせねばならない！」という危機感のもと、すべての事務所スタッフの反対を押し切って、遂にPerfumeは国民的行事の『選抜総選挙』に打って出ることを決意した。
長年の付き合いのもと、ともすれば馴れ合いになりがちな３人の関係にもう一度緊張感をたぎらせようというPerfumeの熱い想いに、事務所もファンも最後は押し切られる形で開催の運びとなった。
投票システムは、新曲に付いている投票権を、Perfumeの３人の誰かひとりに投票し、雌雄を決しようというもの。
ただし、ファンの財布を気遣うPerfumeは、一人一票というルールを設け、ＣＤを買ったファンは、苦渋の選択の中、思い思いに投票をし、遂に開票の日がやってきた。
場所は日本武道館。
立錐の余地がないほど詰めかけたファンが固唾をのんで待つ中、ついにその投票結果が発表されるのであった。
司会者：「なんと！投票の結果、２位は同数でした！
33333票を獲得して、同数の２位は、かしゆかとのっち！」
あまりにもの偶然と、その現実に運命を感じ、感激しながら抱き合う２人。
かしゆか、のっち：「本当に皆さん有難うございました。
まさか、２人に同じ数の票が集まるとは夢にもおもいませんでした。
これからも力を合わせてPerfumeを続けていきます！」
感動の拍手が鳴り響く武道館。
そして、いよいよ１位の発表！
司会者：「Perfume選抜総選挙、第１位はもちろんこの方！あ～ちゃん！
そして、票数は、なんと２位とは１票差の、33334票！」
あ～ちゃん：「ホンマになんと言っていいんか...(涙)。
自分が１位を取って嬉しいけど、ふたりと１票差なんて...。」
司会者：「あ～ちゃんにお伝えしたいことがあるんです。
実は、投票締め切りのわずか２０秒前に、黒いフードを被ってマスク姿の女性が投票用紙を持って駆け込んで来たんですよ。
そして、その投票用紙がこれなんです。
「あ～ちゃん」と書いてあります。
運命を変えたこの投票用紙、この１票で、あ～ちゃんが１位になったんですよ！」
投票用紙を手渡す司会者。
その紙を受け取り、まじまじと見つめ、何かを悟ったあ～ちゃん.......。
「これ、のっちの字だよね....」
静かに下手側に消え去ろうと抜き足するのっちの背後からあ～ちゃんの怒号が！
「のっっちぃぃぃぃっっっっ!!!!!!!」
すかさず、のっちの前に立ち、行き手を塞ぐかしゆか。
のっちの襟首を掴み、舞台の中央に引きずるあ～ちゃん。
しかし、引きずられながらも、あ～ちゃんに怒られる事を想像して、満足そうな笑みを浮かべるのっち。
なぜなら、やはりのっちはあ～ちゃんが大好きなのですから。
なお、この選抜総選挙は、メンバー自身が投票するという不正投票が発覚したため、無効となりましたとさ。