「Spending all my time」 感想 | Perfumeとグルメの日記

Perfumeとグルメの日記

Perfumeと食べ歩き(主にラーメン)が好きです。
この2つのテーマについてのエントリーが中心です。

Perfumeの新曲、「Spending all my time」聞きましたわよ!!
この曲については、前々から色んな妄想記事を書いてまいりましたが、実際に聴いた上での感想をやっと書けます。
そしてその感想とは・・・




めっちゃ!ええやん!!!



どこが1番いいかというと、「サビ」で始まって、「サビ」を繰り返し、「サビ」で終わる所。
言い換えると、K-POPもよく使う、印象的なメロディーに合わせて同じフレーズが繰り返し登場させる、いわゆる「フックソング」の手法なんですが、K-POPがよくやるのは、短いフレーズや1つの単語を集中的に歌詞に組み込むやり方なのに対し、中田ヤスタカが「Spending All My Time」や「スパイス」で取ったフックの手法はもっと構成的で、サビのフレーズ・メロディを微妙に組み替えながら1曲を構成しております。
これって、非常に変態的で素晴らしい(・∀・)




「スパイス」もかなり変態でしたが、この曲もかなり変態ですね。
そして、新曲が出る度にここでいつもボヤいている、「Aメロが退屈だから、全部サビでいいじゃん・・・」という所が、この曲では綺麗に払拭されております。
ボクが個人的に考えるJ-POPの最大の欠点は、【AメローBメローサビ】と判で押したような構成になっていて、曲によってはここにCメロとか混ざってくるから、曲の構成が複雑になり過ぎて、ファン以外は曲が覚えられない所なんです。
Perfumeの近作は、ここまでではありませんでしたが、「VOICE」なんかは、典型的な【AーBーサビ】の繰り返しでしたよね。
もちろん、この曲も好きな曲の1つでしたが、やはりこのJ-POP臭さが抜けない所が不満でした。
だから、この曲を初めてラジオから聴いた時には、思わずニヤついてしまいましたよ。
この単純な曲の構成なら、Perfumeを初めて聴く海外のユーザーの耳にもすんなり入ってくる事でしょうね。
外国の人って、日本人が考えるよりも2ケタくらい単純な物じゃないと受け入れてもらえませんから。
(日本の高い技術がガラパゴス化するのはこれが原因なんです)



あと、この曲について書くと、3人のボーカル処理がかなり硬質に感じました。
2010年くらいからシングル曲のボーカル処理は、より3人の声とその個性を忠実に再現しようと柔らかく薄い処理にしていたのですが、この曲ではそれを完全に渾然一体とさせ、なおかつ2005年レベルよりも低い硬質な声にしているので非常に大人っぽく聞こえます。
これは、「Hurly Burly」のボーカル処理と同じですね。
こういう点は、3人に関して年相応の魅力を出そうと制作者サイドは腐心しているのでしょう。



バックトラックは、ご異論はあるとは思いますが、ボクはハウスっぽく聞こえました。
「⊿」の「Speed Of Sound」で使われていた、「トライバルハウス」というアフリカ系民族音楽に使う打楽器を使ってリズムを刻むハウス音楽の手法が施されておりましたね。
あと、これは蛇足なんですが、聴いた感じが少し昔の小室さんのアレンジに似ていましたね。
バックで刻まれるキックをよく聴くと3連符なんですよ。
3連符といえば、80年代の小室さんの黄金手法ですから(当時の渡辺美里やTMネットワークの曲は3連符の嵐です)、なんか懐かしかったですね。
雑誌で小室さんと対談してヤスタカさんも影響を受けてしまったのでしょうか(笑)。



まあ、色々書きましたが、この曲を聴いての総括は、はっきりと海外ユーザーに受け入れてもらう事を意識して制作された曲であり、またPerfumeのキャリアにとっても、日本人ユーザーだけを意識した作品から大きく舵を切った事を表す、大きな分岐点となるのは間違いない作品となるでしょう。