Perfume 「レーザービーム/微かなカオリ」 レビュー | Perfumeとグルメの日記

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1日聞いてみて、一応の感想を。


「レーザービーム」…曲としては普通。


「微かなカオリ」…聞けば聞くほどハマる。




まず、「レーザービーム」がなぜ普通な評価かと言うと、今までの曲にあったCD音源を聞いて初めて発見できる部分がこの曲にはありません。
テレビやラジオで聞いた感想のまま変わらず。
つまり伸びしろはなかったなぁという事。
特に、インストバージョンは期待ハズレくらいの評価。
ヤスタカの最近のインタビューの中で、「どこが主旋律なのか解らないけど気になるメロディがいっぱいある」ような曲を作りたい旨の事を話していたんで、サビで右トラックからまんま主旋律が聞こえてきたのにはやや落胆(笑)。


歌詞を見ても、「ストレイト!真っ直ぐだね」とあるように、この曲はあくまでタイアップ用にとの言いつけを忠実に守った作品で、あまり思い入れがあって作ってはないのかもしれないですね。



それに対して「微かなカオリ」ですが、最初に言っておきます。




「歌謡曲っぽい」って貶してる人!
もう一回歌謡曲を最初から聞き直す所からやり直しなさい!
歌謡曲とは似ても似つかぬ別物の変態作品です。

説明するとまず、「レーザービーム」と比べると音の厚みが段違いです。みんな、入りのオルゴールに騙されすぎなのかも(笑)。


使っているのが、キック音とベースラインの構成に、ピアノとストリングスが色を足して、Aメロだけ右トラックからアコースティックギターがご登場。
このギターの使い方は「コンピューターシティ」と同じですね。


これだけでも充分なんですが、Aメロのバックトラックをシンセサイザーの音の膨らみだけで作っているのを発見して思わずほくそ笑んでしまった。


さっきのインタビューの中の別の所で、「シンセサイザーにアイデンティティを持たせたい」と言ってるんですが、これってまさしくその言葉通りの仕事ぶりだと思います。
単純な音の上げ下げだけで、これだけ活きた音に出来るのは流石です。


ところで間奏のピアノの使い方が全盛期の小室さんっぽいと思ったのですが、皆さんはいかがでしょう?
この頃の小室さんってピアノの入れ方がホントに上手いんですよね。
確かに素晴らしいメロディメーカーだったんですが、ある時期から急にダメになっちゃった。
この微かなカオリもピアノを効果的に使ってる所に共通点があるように思います。


そして、3:30過ぎから大サビにかけてがこの曲の聞かせ所です。


うなるベースラインを追いかけるピアノ。
まるでヘビとマングースの噛み付き合いみたいじゃ(笑)
そして、一瞬の静寂のようなピアノソロがあった後にサビメロがあって、最後にCメロで締め。
この最後のCメロになると、あれだけうねっていたベースラインがピタリと止んでピアノだけでサラッと聞かせて終わり。


これでこの曲にほのかな爽やかさ、まさしく「微かなカオリ」が残るのですよ。



思ったんですが、この曲はライブでヤスタカの生ピアノでPerfumeが歌ったら最高に映えると思うんです。
それにぴったりの作り方にしてあると思うんですよね。
案外、ヤスタカは狙って作ってるんじゃないかなぁ…(笑)。




という事で結論を言うと、「みんなが思うほど『微かなカオリ』は微かでなく強烈なカオリのする挑戦作であり、中田ヤスタカ渾身の1曲です」




レビューはこんな感じですが最後に1つ。
「微かなカオリ」は、譜割やブレスの位置がセオリーとかけ離れてるし、メロディも独特の癖があるから、カラオケで歌うのはメチャクチャ難しいからね!
覚悟して歌いんしゃい!