春先に
私はある大好きな人に
小さなお願いをしました。
大好きな人と表現するのは
ほんの少し躊躇われます。
20年以上に渡り
私がとても尊敬している人です。
大好きな人です。
大好きな、と書いたら
本当に好きなので
気持ちがこみ上げて
それで涙が出てきます。
これから始まる戦いについて
とある先生から言われた時に
心細くて
不安で
心のよりどころがなくて
自分が頼りなくて
他愛もない話すら出来なくて
誰もが一人で生まれ
一人で逝くことが
神様から平等に与えられているとは言うけれど
生まれた時の記憶はなくて
一人で戦う自信もなくて
「おひげが不要になったら私にください」
とお願いした。
その人は夏までにはキレイにひげを剃っていたけど
私の手元には届かなかった。
そう言われて気持ち悪かったろうか。
不快だったろうか。
頭のおかしな人だと思われたろうか。
それを和紙に包み胸元に入れて
最後までいこうと思っていました。
私は気が狂いそうなくらい火葬も怖いけど
1人ぼっちでも、それでも
最後まで自分を保てる気がしました。
自分勝手で
一人よがりな考えでした。