2004年に下灘駅構内にあった詰所を再現する作業のPart2です。「かめ」様の写真を参考に、窓一枚の幅を90センチ=6㎜と想定して設計を行ないます。
 
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ピンク色の板(もっと色の濃いものが退色したのだと思います)の後ろ側は、他の国鉄型詰所から想像しました。両側面に窓がないことは、他の小さな写真で確認できたのですが、裏側がどうなっているかは全くわかりません。不本意ながら想像で作ります。

 

 
設計はすべてパワーポイント(貴兄のパソコンにも入ってますよね?)で行ないました。もちろんこれは邪道であって、本来はイラストレーターやCADソフトを使うべきですなのですが、小生は他のソフトを持っていないし、使う能力もありません。パワポによる作図は、最初は苦労したものの、1年近く取り組んでいるうちに、すっかり慣れてしまいました。
 
完成した設計がこちらです。実在する一般のお宅の設計図を掲載するのはさすがにプライバシーの問題があってできませんが、この建物なら叱られることはないでしょう。JR四国の許諾をとれ、といわれると困りますが。
 
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内容はご覧の通り、前回ご紹介した羽目板に窓と引き戸を並べたものです。2軒分あって、上が2004年バージョン、下はアルミサッシを木枠に戻した国鉄バージョンです。もちろん、国鉄バージョンは資料がないので想像です。正面と裏側が2枚あるのは、窓を抜いて、上から貼り付けるためです。建物の横幅はちょうど9センチですが、紙の厚さを考えて、左右を0.4㎜ずつ長くしてあります。両側面には窓がないので、上から貼り付ける部品はありません。
 
印刷は、できれば厚手の高級紙に「きれいモード」「高画質モード」で行ないます。小生の場合「キャノン写真用紙・プレミアムマット(厚さ0.31㎜)」というのを使いました。
 
こちらは屋根用の部品です。全く同じものが2軒分あります。こちらは普通のコピー用紙に「標準モード」で印刷します。
 
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パワポを使う場合に1つ注意することがあって、そのままの設定で使うと、せっかく高精度の写真を使っても、保存すると勝手に解像度が下がってしまいます。これを防ぐには「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」の画面を開いて、「ファイル内のイメージを圧縮しない」にチェックを入れます。こうすると、取り込んだ写真の解像度が保てます。ファイルサイズがどんどん巨大になりますが、今のパソコンの性能だと動かない、ということはありません。気になる場合は、取り込む前に素材の解像度をある程度下げておくとよいでしょう。

 

 
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後はこれまで何度もご紹介した工程です。ご一緒に軽工作を楽しむつもりでご覧下さい。まずはカッターでさくさくと切り出します。

 

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ダイソーのカラーボード(5㎜厚)を裏側から貼り付けます。テンプレートを作って切り出すのが正攻法でしょうが、現物合わせでも十分です。ちょっと大きめに切り出して、少しずつ小さくするのがコツです。

 

 
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補強ができました。以前はガタガタだったのですが、手慣れてきて、かなりすっきり作れるようになりました。正面と裏側の天面は、カッターを斜めに入れて切り出すことで、屋根との接着面積を稼いでいます。

 

 
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裏側の外板を用意しています。本来は引き戸と窓の間に細い柱がありますが、老眼の小生には、柱を残して切り出す作業がとてもできないので、あっさり省略しています。切り口は白く目立つのでクレヨンで着色しますが、クレヨンの先をご覧のようにカッターで鋭角に切り取ってやると、細部まで届いて使い勝手が良いです。

 

 
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正面にも外板を貼りました。細い柱の切り出しをあきらめているので、2枚続いた窓の下の羽目板は、完全に分離した部品になります。 

 

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標準工法で屋根を付けました。雨どい部分と瓦部分の2重構造です。結構苦労して考えた構造で、細い雨どい表現できます。

 

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棟瓦と鬼瓦を取り付けます。端のところが白くはがれていますが、クレヨンでレタッチできるので心配無用です。 
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庇(ひさし)のベース部分です。1㎜の厚紙にテンプレートを木工ボンドで仮止めして切り出して、テンプレートをはがしてから、木目紙に貼り付けます。3方向を1㎜ずつ残して切り出して、つまようじで木工ボンドをつけてから折り曲げます。
 
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コピー用紙を折り返して貼り合わせたトタン屋根にベース部分を貼り付けます。3方向を0.5㎜ほど残して切り出せばできあがり。トタン屋根にはエアブラシで軽く縦筋をいれて、ウエザリングしてあります。といっても、フォトショップ上のバーチャル工作で、本物のエアブラシは使いません。
 
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庇を木工ボンドで取り付けます。いつも思うのですが、この安価な接着剤の効き目は偉大です。
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切り口にクレヨンを塗ってから、正面のピンクの板を張り付けます。
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安全第一の看板を取り付けて、できあがり。昭和バージョンには手書き文字の看板が必要ですね。
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実物写真と並べて記念撮影です。庇の支え棒はさすがにプラ材で作ったほうがよさそうなので、今の時点ではあっさり省略しています。
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ちなみにこちらは、コピー用紙だけでつくった試作品です。窓も二重構造ではありません。以前もどこかで書いたのですが、遠目にはほとんど変わりませんから「俺は窓を抜いたのだ!」という自己満足が必要でなければ、こちらで十分かもしれません。これだと総コストは材料費10円、プリンターインク代20円くらいだと思います。
 
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