下灘駅前に並んでいる住居のうち「藤色の家」をつくります。このお宅、玄関がないので、お隣のこげ茶色の家の別棟で2階がつながっているのかもしれません。
ここまで3軒のストラクチャーを組んで、基本技法はほぼ開発できたので、ここからはどの技法を選択して組み合わせるかが工作のポイントとなります。今回はすこし丁寧に、組み立ての手順をご紹介しましょう。
壁材にはエレコム社のスーパーファイン紙の厚手(0.225㎜)を使いました。厚さがあるので、組み立ててから裏に補強材を貼り付ける、という工法がとれます。ただし、カッターで軽く溝をつけた折り目は、紙の白が露出しちゃうので、最終的には塗料による補修が必要になります(今の段階ではまだ補修していません)。
1階の窓は、コンクリート壁の奥にあるので、ダイソーで売っている0.4㎜の工作用紙で、壁に厚みをつけました。窓をきっちり切り抜くのは前回トライして完敗したので、まことに不細工な工法をとっています。
裏から窓を貼り付けます。
気休め程度ですが、壁の厚さが表現できました。本来は切り口部分を着色したいところですが、今回は塗料を使わずにどこまで模型がつくれるかにチャレンジしているので、今のところ未着色です。内側の補強は、5㎜厚のカラーボード(ダイソーで売っているスチレンボードの安いやつ)や2㎜厚の厚紙で行ないます。
2階部分は外壁を重ねることで、窓の段差を表現します。増改築したのか、実物も同じように、2階部分は1階より若干の厚みがあります。
屋根はモルタル部分とセメント瓦の2重構造にします。まずは0.4㎜の工作用紙でモルタル部分をつくります。貼り付けたコピー用紙は、純白ではなく、軽くグレーのグラデーションをかけてあるのですが、よくみえませんねえ・・・。端にグレーの紙を貼って雨どいを表現します。
木工ボンドでがっちり固着中。
0.4㎜の工作用紙に貼り付けたセメント瓦を重ね貼りします。この瓦を立体構造で表現できたら間違いなくTMS賞レベルですが、残念ながらコピー用紙に印刷した平面です。けど、なかなかリアルだと思いませんか。なにせ本物の瓦の写真ですからねえ。
1.5㎜の厚紙でつくった雨戸用の戸袋をとりつけます。開口部上のシャッターケース(というのですかね?)は、3㎜厚のスチレンボードを3㎜幅で切り出した芯に、印刷したコピー用紙を貼りました。
「シャッターケース」はよれよれのコピー用紙の質感とあいまって、今にもサビが落ちそうなリアルなのができました(堂々の自画自賛をご容赦下さい)。手前にあるものは最初につくった厚手スーパーファイン紙によるものですが、折れ目の白が目立っちゃうし、かっちりしすぎてしまいます。高級な材料が必ずしもいいわけではなく、適材適所が肝要なのですねえ。
棟の丸瓦とのし瓦は、1㎜幅と2㎜幅の工作用紙を貼り付けた上から、コピー用紙に印刷した棟用の瓦をたっぷりの木工ボンドで貼り付けます。
庇(ひさし)を取り付けます。構造がわかるようにパワーポイントによる設計図もご紹介しましょう。取付けは100均で買ったゼリー状接着剤によるイモ付けですが、思った以上にがっちり固着できます。鬼瓦は実に不細工なのですが、小生の視力と工作力では、このあたりが限界です。
パイロットモデルと比較すると、戸袋や庇といった小パーツで、精密感がぐっと増すのがおわかりいただけると思います。
ちゃんと調べたわけでないのですが、この辺りは昔、みかんの出荷で賑わったのではないかと思います。車庫の中にみかんのキャリーケースを並べたら楽しそうですが、今のところ、どうやって作ればいいのか皆目見当がつきません。