小生、過去にペーパークラフトの組み立てに凝ったこともなければ、ましてや自作したこともありません。したがって今回も、レイアウトセクションの全てをペーパークラフトで作り上げよう、という強いこだわりを持っているわけではなくて、最終的には適材適所でいろんな技法を使えばいいと思っています。とはいいつつ、小学生にも安価で、リアルなモデルを楽しんでもらうために、塗装不要のペーパーモデルで、どこまでレイアウトが作れるかに、チャレンジしたいと思っていました。
 
現在、ストラクチャーは実用化の目途がほぼ立ったのですが、地面はどうやって表現したらいいか皆目わからず、トライ&エラーを繰り返しています。課題が山ほどあるのですが、その1つが、階段です。
 
建設予定のレイアウトセクションには、合計4つの屋外階段があります。現物の素材はコンクリートか石。今回はこれをペーパーで作ることにチャレンジしました。ちなみに、ネットで調べると、快適に登れる階段の段差は20センチだそうです。ということは、Nゲージだと200㎜÷1501.3333㎜。つまり、1.3㎜あるいは1.4㎜ピッチの段差を設ければいい、ということになります。
 
最初につくるのは、駅を出て左手に進んだところにある「さなえ美容院」脇の、コンクリート階段です。小生、通常の作図には、パワーポイントを使っていますが、今回はエクセルを使いました。誰もが知っている標準ソフトですが、行と列、すなわち縦と横のサイズがピクセル単位で指定できるので、階段のような構造物の作図には便利です。背景にコンクリートとか石の写真が使えないことが難点ですが、エクセルでつくった図面をフォトショップに読み込んで加工すれば大丈夫でしょう。とりあえずサクサクと作図してみました。おお、これはいけそうだ。
 
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しかししかし、実際に切り抜いてみると、これはいけません。とても組み立てられる大きさではないのです。これを正確に組み立てようと思ったら、脳神経外科医が使うような手術用顕微鏡と、極度の習熟が必要です。手に震えのきている小生には、逆立ちしても組み立てられません。木工ボンドの蓋をあける間でもなく、戦意喪失です。

 

 
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かくして小生、セクション全部をペーパークラフトで作る、というチャレンジを、早くもあきらめようとしています。階段自体は、1.2㎜のプラ板や1.5㎜の厚紙を小さく切って重ねていけば、簡単にできそうですが、問題は塗装です。コンクリートや石の質感を塗装で出すには、かなり高い技術が必要でしょうし、ましてやそれを誰もが再現できるようにマニュアル化するのは至難の業です。どなたか、もっと簡単、確実に組み立てられるペーパークラフトのアイディアを、お持ちではないでしょうか。
 
さて、失敗談だけで終わるのもみっともないので、進捗した部分をご紹介しましょう。こちらは駅前の構造物で、左側は現在、下灘コーヒーが出店しているスペース、真ん中は空き地、右側は民家2軒のベースです。おそらくもともと山だったところを切り崩してつくったスペースなので、背後にコンクリートの壁がつくられています。テストなので、A4のコピー紙に印刷しただけですが、最終的にはもっとちゃんとした紙に印刷して、しっかり補強する予定です。
 
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壁とか地面は、基本的に現地で撮影した素材ですが、そのままでは使えないので、フォトショップ(エレメントという安価なバーション)でシコシコとレタッチしています。自己流で作業しているので、ときに、ものすごく時間がかかりますが、本物の写真をベースにしているので、当然ながら出来たものはリアルです。同じものを塗装で表現しろ、といわれたら、エアブラシやらアルコールインクやらドライブラシやらパステルやらを総動員しても、小生の腕ではここまで出来ないでしょう。あと、塗装に比べると、同じものをもう1つ作るのは圧倒的に簡単です。印刷ボタンを押すだけですから。明るさや彩度の変更も自由自在です。
 
草の部分も写真なのですが、これだけでけっこうリアルに見えます。これにターフやらフォリッジをパラパラと加えてやったら、結構簡単に地面が表現できちゃうかもしれません。
 
ただし、このパーツ、実物は全部がコンクリートではなく、一部は岩肌が露出しています。トラディッショナルな作り方だったら、手持ちのウッドランドシーニックスの岩のゴム型にプラスターを流して固めて、それを塗装して貼り付ける、ということになるでしょう。ところが、ブランクが長すぎてややり方を忘れてしまったし、道具を集めるのも難儀です。あのメッシーな石膏作業も嫌だなあ。というわけで、紙に岩の図柄を印刷して、くしゃくしゃと丸めて皺を付けたものを貼り付けることで表現できないだろうか、などと夢想しています。
 
こちらの写真の手前は、パイロットモデル用の3分の1サイズモデル、つまり1/450、Tスケールのモデルです。以前ご紹介した通り、作り方はあきれるほど簡単で、印刷時に33%縮小するだけです。
 
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こうしてみるとこの技法は、Nゲージよりも、それ以下のスケールを作る際の、強い味方になりそうです。ちなみにこちらが現在制作中のパイロットモデルです。1/450という極小サイズですが、それほど破綻がありません。米粒に文字を書く名人でもなければ、アナログ時代にはとてもできなかったでしょうね。
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