(その21の続きです)
 
火のやぐらの補修
 
言うまでもないことなのですが、これから書くことは、皆様にやんちゃな姪がいて、苦労してプラ材でつくった火の見やぐらや腕木信号をぶっ壊したときにだけ役に立つ技法であって、平和に暮らす99.9%のモデラー様には何の参考にもなりません。単なる暇つぶしの読み物としてご利用下さい。
 
何度かご紹介しましたが、これがポッキリと折れてしまった火の見やぐらです。
 
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これをどうやって修理するか、散々に悩みました。細いパイプを使って、折れてしまった支柱をつなごうと考えたのですが、真鍮パイプは高価だし、金属工作は不得意です。昔、TMSのヒント欄で読んだ、ボールペンの芯をライターの火であぶると、細いパイプができる、というのがいいと思ったのですが、久々に覗いた模型屋の素材売り場で、タミヤの3ミリパイプをみつけました。おお、これをライターの火であぶって引き伸ばせば、もっとお安く細いパイプができるのではなかろうか。接着剤もしっかり効きそうです。

 

 
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実際に試してみたら、見事に、細いパイプがつくれます。これを折れた4本の支柱に差し込んで、瞬間接着剤で固着します(あまりにも薄いので、プラ用セメントだと溶けてしまいます)。ご覧のとおり、上の部分に3個、下の部分に1個、取り付けました。

 

 
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4本の支柱どうしをつなぎあわすのですが、老眼もあって、なかなかうまくいません。偶然にも4本がうまくはまったのは、奇跡といえましょう。

 

 
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斜めの支え棒は、タミヤの2ミリプラ丸棒を引き伸ばしたものを使います。平面で組むとわけないのでしょうが、これを立体空間で組むのには、えらく苦労しました。

 

 
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煮詰まってイライラしてきたので、今日の作業はこれでおしまい。
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翌日は順調に作業が進んで、口笛まじりです。断切されていたハシゴも細パイプでつなぎました。経験的にいうと、よい工作には、ゆったりした気持ちが不可欠です。カッカとなってきたら、いさぎよく作業をやめて、(成人の場合は)ウイスキーを飲んで、さっさと寝る。これがよい模型をつくる最大の秘訣かもしれません。
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塗装です。四国の35度の炎天下の中を、自転車をおっちら漕いて、街の家電量販店で塗料を買ってきました。最近は家電量販店の模型売り場がけっこう充実しているのですねえ。みたこともないような工具や素材がいっぱいあります。買いませんが。
 
で、火の見やぐらの色は、レッドとオレンジを混ぜるのですが、タミヤカラーのオレンジは光沢ありなので、フラットベースまで必要です。ほんのちょっと必要なだけなのに、たいへんなモノ要りです。エナメル系ペイントは寿命が短いだけに、余計にもったいないです。
 
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塗り終わりました。
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完成です。アップで撮影すると接続部が不細工ですが、老眼の小生には十分です。なお、新しく塗った部分の色味が若干違いますが、伊勢湾台風で倒壊したのを修理した、という設定ですから、修理部分だけペイントが新しいのは、当然といえましょう。
 
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(その23に続きます)