以前にも書いたのですが、そもそも小生がこのブログを始めたのは、どうしても読みたいブログがあって、その方が「ヤフーブログを開設した上で、友達申請をして、どういう人が知った上でないと読ませない」という確固たるポリシーをお持ちだったからです。SNSなんぞにはとんと縁のなかった小生、おっかなびっくり、何とかブログを開きました。その結果、その方の素晴らしいブログを拝読できるようになって、労苦は報われたのですが、一方で、自分のブログというのは思った以上に楽しいものですね。小生、なぜかこれまでまわりに鉄道模型好きの友人がおらず(偏屈な性格で人から避けられている、ということは決してないと思うのですが・・・)、これまで模型趣味はほぼ1人でやってきたので、こうしてネット上でいろんな方とお知り合いになって、模型の話ができるのは、実に楽しいことです。というわけで、最初便宜的に開設したブログだったのですが、ちょこちょこと記事を書くようになってきました。
 
ここのところドックサイドやPFMのドン・ドリューさんのことを書いて、米国型ファンの皆さんに少しはお楽しみいただけたかと思うのですが、そういった内容だと、真剣に情報を求めてらっしゃる方もいるので、ブログといえども嘘や間違いを書くわけにはいきません。古い話が多いだけに、事実関係の裏取りも楽ではありません。仕事以上(?)の緊張感があったりします。その意味で、古い模型や米国型鉄道を長きに渡って紹介なさっている諸先輩のブログは、調査や研究にもの凄い時間と労力を使っているのだろうなあと、あらためてブログ主の方を尊敬せずにはいられません。
 
さて、話が長くなりましたが、要するにこの前振りは、今回は、開設当時にやっていたお気楽な模型紹介に戻ります、なーんにも深く調べてません、ということの言い訳です。スクラッチでつくった、マクドナルド・コール社を御紹介しましょう。
 
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この模型、モトネタはモデルレイルローダー1985年4月号の実物記事です。記事から解説文を引用させていただきましょう。
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「子供の頃、全ての町には、少なくとも1軒、石炭小売販売店がありました。第二次世界大戦後、ガスとオイルへの転換が起きるまでは、石炭が家やオフィスの暖房に使う、最も一般的な燃料だったのです。1981年、ニューイングランドへの旅行で、新たに再オープンした石炭小売販売店をみつけたとき、私は本当に驚きました。
 
これはマサチューセッツ州サウス・ハンセンの2人の学校の先生が、古い石炭ディーラーを買って、リノベートしたものでした。彼らによると、オイルや天然ガスよりも、石炭が安くなったので、ニューイングランド地方では、再び石炭がよく売れるようになるだろう、というのが理由でした。
 
1981年にマクドナルド・コール社を訪れたとき、ビジネスは好調でした。建物と設備はリノベートされており、石炭コンベアも修理されていました(部品を見つけるのが大変だったとのことです)。新しい計量機が設置されていました。」(モデルレイルローダー1985年4月号、ハロルド・ラッセル著「あなたも作れる線路脇のビジネス-マクドナルド・コール社」より)
 
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さて、アメリカ型のストラクチャーをつくるのに一番苦労するのは設計で、逆に図面さえあれば、後はノースイースタンの羽目板、グラントラインの窓、キャンベルの屋根紙ロール、東急ハンズで売っている細角材、という4種の神器で、たいていのものはできていまいます。この記事には完璧な1/87設計図と写真が掲載されていて、これだけあれば、もはや完成したも同然。もちろん80年代のリノベートされた状態をつくって、隣の本線で巨大なフードディーゼルをガンガン走らせたいわけではありませんので、スティームロコが似合うような、古いタイプにしました。
 
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ところで、ファインスケールミニチュア社が、この記事掲載の1年後に発売した「スターキー・コール・カンパニー」(キット番号245)の本体建物は、この図面にそっくりなので、MRの記事の内容をかなり参考にしていると思います。米国では模型雑誌に出た実物記事と全く同じ建物のキットが、大手メーカーから発売されたりするのですが、そのときの権利関係って、どうなってるのでしょうね。設計者には、何らかの対価が払われているのだろうか。いずれにしても、壁面の様子とかは、このキットを参考にさせてもらいました。キットを持っている訳ではないので、写真はネットからお借りしました。
 
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事務所兼車庫は、MRの図面に載っていたとおりです。ただし、窓はグラントラインのパーツを使って、手を抜きました。線路脇の貯炭槽みたいなものは、オリジナルの図面にはなかったので、FSMのキットの写真を真似てつくりました。
 
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さて、今回は「フィギュア」のお話をしましょう。以前御紹介した、白雪姫製粉所の写真をご覧になっていただくとわかるのですが、フィギュアのいない情景というのは、何となくゴーストタウンのような、生活感のないものになってしまいます。ジョン・アレンやジョージ・セリオスのうまさの1つは、フィギュアの使い方にあって、ジョージ・セリオスなんて、この町にはこんなに沢山人が住んでるのかい、というほど、たくさんのフィギュアを並びたてていますね。ジョン・アレンとなると、市販品のない時代に、人から馬までスクラッチでつくっていて、しかもそれが躍動感あふれるポーズだったりするので、まったくもって凄いです。
 
さて、今回御紹介するものには、2人の大御所に比べるとぐっとつつましやかに、3体のフィギュアが使ってあります。いずれも御存知、プライザーのものですが、塗装済みを購入すると、えらく高くついてしまうので、未塗装のお買い得セットを購入します。今回のものは、随分前にアメリカの模型屋で買った「US Railroad personnel, Passengers, Professionals」(製品番号16336)という45体入りのセットで、プライザーのホームページをみても出てこないので、もはや絶版かもしれません。こちらがそうです。クローゼットの奥の段ボールのどこかに手持ちのものがあるはずなのですが、発掘が難しいので、すみません、画像をネットでお借りしました。画素数、低いなあ。いつかちゃんと自分で撮った写真に差し替えないと。
 
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さて、塗装ですが、これにはコツもノウハウもなくて、タミヤのミリタリープラモの兵隊さんを塗るのと同じ方法です。タミヤカラー(エナメルのやつ)を筆塗りして、墨入れをして、ドライブラシです。ただし、今日のミリタリープラモファンがみたら、小生の塗り方なんて、鼻で笑われそうです。あと、これを塗ったのは、もう20年前だと思うのですが、今は老眼で、とてもできないです。工作を再開するなら、まずは性能の良い拡大鏡を買わなければ。
 
 
 
余談ながら、プライザーの人形は、もちろんドイツ製ですが、色は南国のリゾート、モーリシャスで塗っています。たしかモデルレイルローダーの記事だったと思うのですが、大勢の現地の若い女性達が、熱心に筆で色を塗っている写真をみた記憶があります。てっきり、横一列に並んで、ベルトコンベア式に、1人が1色ずつ塗るのかと思っていたら、1人が1体の塗装を完結させるそうで、そのほうがいいものができるんだそうです。彼女達、機械じゃ、ないですものね。
 
 
 
さて、人形の配置ですが、たしかこれは松本謙一さんが書いていたと思うのですが、フィギュアの視線を考えて置いてやるのがコツなのだそうです。小生がそうしたかどうかは記憶にないのですが、2人の向かい合っているおじさんは、お互いの顔をちゃんとみて話しているようで、いい感じです。「最近どやねん」「まあ、ぼちぼちやな」みたいな。階段に立っているおにいさんは、遠くをみつめて、何か考え事ですかねえ。
 
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それにしても、世界のタミヤが、未塗装のフィギュアセットを出してくれたら、世界を席巻できると思うのですが、鉄道模型だと市場が小さすぎるのでしょうか。ただしそうしている間に、3Dプリンターでどんな人形でも、簡単にできる時代が来るのかもしれません。そうなっちゃったら、鉄道模型って、つまんなくなるでしょうねえ。そもそも模型自体も、PCの中でバーチャルに楽しむようになるのかもしれない。ナカヤマのハンドビルドを200ポイントで買って、塗装もエアブラシを使ってバーチャルでやる。有機溶剤を吸うリスクはゼロになるでしょうが、ああ、本当につまんなさそうです。
 
白昼夢はさておき、ピンボケ写真で恐縮ですが、オートバイはたしか、1/76のミリタリープラモについていたドイツ軍のものです。戦場で朽ちることなく、立派に平和利用されていますね。よかったよかった。
 
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