水原秀策「サウスポー・キラー」感想 | 狸穴の雑多ブログ

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今回は水原秀策のミステリー小説「サウスポー・キラー」の感想記事です!

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主人公は、人気プロ野球チーム・オリオールズに所属する左腕投手の沢村。

ある日、<Baseball judge>を名乗る謎の人物から、"沢村が八百長に加担している"という事実無根のでっち上げ告発と、沢村の球界追放を迫る怪文書がオリオールズ球団へ届く。

球団関係者やマスコミから疑いの目を向けられる沢村。

沢村は自身の潔白を証明するため、正体も目的も不明な<Baseball judge>の謎に迫っていく――――

 

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野球 × ミステリーという異色の組み合わせの作品。

主人公の沢村も、プロ入り前にアメリカへ留学し、最先端のトレーニング理論を学んでいたというインテリキャラとして描かれていて、、、

昔からの伝統的な練習方法を強要するコーチに対して

「悪い意味での伝統主義ですね」

「マックス・ウェーバーが言ってますよね、永遠の昨日とね。まあこの場合は永遠の昭和と言うべきなんでしょうが」

と切り返すなど、良い意味で野球選手のイメージから外れた、斜に構えた性格設定が面白かった!

 

 

一番印象に残ったのは、

「八百長でないと照明するため、次の先発登板試合で絶対に勝ち投手になる、負ければ引退する」

と宣言した試合の前日に、黒幕によって激しい暴行を受けてしまい、

満身創痍の中でそれでも後に引けず、登板するシーンですね。

 

投球する度に痛む傷、疲労でグワングワンとする頭。。。

 

そんな中でも追い撃ちをかけるように、

足に打球が直撃する

フィールディングで味方野手と激突する

等々、試合中でもダメージは増えていきます。

 

しかもオリオールズのリリーフ陣は軒並み連投のために登板が難しく、投げられるのは抑えの西川1人だけ。

そんな状況で、沢村は自身の選手生命を守るために8回まで投げざるを得ない状況に陥ります――――――

 

 

作中では試合の流れと沢村の力投が描かれているのですが、

文字描写からでも、こっちまでしんどくなってくるような迫真の描写に圧倒されました。。。

 

本作の一番のミソ「ミステリー、謎解き」とは全く関係ないポイントなので、ミステリーファンの方には怒られそうですが...

この試合の描写が生々しくて、このシーンが一番脳裏に焼き付きました。。。

 

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ちなみに実際のプロ野球界でも、

元ソフトバンクの工藤監督は現役時代に毎晩遅くまで飲み歩いて、

一睡もせずに翌日の試合に登板したりしてたらしいです。。。

 

俺はちょっと寝付けなくて寝不足なだけで翌日超絶体調不良になる位デリケートなもんで、

徹夜明けでスポーツなんて想像しただけで具合悪くなる...((((;゚Д゚))))

 

今挑戦してるマラソンも、

もし前日一睡もせずに10km走とかやったら、ガチで冗談抜きで死ぬと思います・・・