小川仁志「『鬼滅の刃』で哲学する 人生の見方が変わるヒント」感想 | 狸穴の雑多ブログ

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今回は小川仁志著「『鬼滅の刃』で哲学する 人生の見方が変わるヒント」の感想記事です。

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哲学者の小川仁志氏が、「鬼滅の刃」で取り扱われている様々なテーマを切り口にして、現実世界での多種多様な哲学的な問いに対して考察していく本です。

 

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色々なテーマについて触れられているのですが、中でも特に印象に残ったのが「人間関係」の問題に関する考察です。

 

小川さんは、煉獄さんの「老いることも死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ」というセリフを取り上げています。

 

作中で、人間は単体では鬼よりも弱い存在として描かれていますが、

だからこそ仲間と協力したり、親や師匠など先人達の想いを受け継いだり、"集団の力"で鬼と対抗しています。

「個の力は強くても、仲間と協力ができない鬼」VS「個の力は弱くても、協力ができる人間」の戦いで、最後は人間側が勝利したことに言及していて、

 

ここから小川さんは「人間は絆の力で想いを託したり協力したりできる所が強みで、(作中の鬼のように)これが理解できない人は利己的で心が弱い」というメッセージがあるのではと考察しています。

 

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あくまでこれは小川さんの分析なので、「鬼滅の刃」の作者がこう考えている、という訳ではないと思いますが...

この考えでは、現代ではある意味危険なのではと感じました。

 

世の中には、生まれた時から親がいなかったり、色々な事情で一人で生活している人もいますし、

さらに言うと、元々「独りが好きな性分」の人っているんですよね。

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僕自身も、さすがに「社会から一切隔絶して独りになりたい」とまでは思いませんが、「人付き合い」よりも「自分の時間やプライベート」に圧倒的に重点を置いてる人間なので...

 

「人との繋がり」を過剰に重視して、それを理解しない人に不必要に罪悪感を抱かせるのは、正直「?」と思いますね。

価値観は人それぞれだし、中には人間関係よりも自分の「個」を大事にしている人もいると思うので...

 

「多様性」が叫ばれる令和の時代なので、それぞれ好きな価値観で自由に生きていきたいものですね!