今回は朝井リョウさんの「世にも奇妙な君物語」の感想です。
有名テレビドラマ「世にも奇妙な物語」の大ファンだという作者が、同じような珍妙な世界観や大どんでん返しを含む短編を書いてみたいということで製作された短編集です。
全5話の短編作品の中で、特に世界観が面白いと思ったのが、「リア充裁判」ですね。
世界観とあらすじ:
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若者のコミュ力向上を目的として「コミュニケーション能力促進法」という法律が制定された世界が舞台。
この法律では若者達に対して「SNSでいかにいいねや反応がもらえているか」「いかに多くの人と撮った写真をSNSに上げているか」等の審査が行われ、それは通称「リア充裁判」と呼ばれている。
かつてこの「リア充裁判」に落ちたことで人生を壊された姉を持つ主人公が、同じくリア充裁判に挑んでいく———
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朝井リョウさんの作品、大昔に「何者」を読んだことがあります。
そこでも就職活動に苦しむコミュ障気味の就活生の姿が描かれていて、
いわゆる「『陰キャラ』や『コミュ障』の人の葛藤」みたいなものが、朝井さんの得意なテーマの一つなのかなと感じました。
この主人公の姉、弁護士になるのが夢で、勉強一筋・SNS等の新しいものは一切やらないタイプの人として描かれていました。
「既読とかいいねとか言われても、私の言葉がどれだけ伝わっているか分からないでしょう。きちんと相手の顔を見て、直接話さないと、思いって多分伝わらないと思うんだよね」
という感じの人物です。
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僕自身がコミュ障なのもあり、「ウェーイウェーイ」言ってる人達やパリピみたいなタイプはもちろん苦手ですが、
主人公の姉みたいな人も、現実にいたら割と苦手ですね。。。
昔ながらの「勉強して良い学歴を手にすれば上手くいく」という古いやり方に囚われていて、新しいものや考えを一切否定している感じが、堅物っぽいです。
コミュ障とかリア充とか関係なしに、頑迷な人・バカ真面目な人はちょっと苦手ですね...
コミュ障でもいいから、新しい考えを柔軟に受け入れる度量は持ちないですね。