新年一発目の作品感想。
今回は西尾維新氏のライトノベル、「新本格魔法少女りすか」の感想です
あらすじ:
日本・長崎県が魔法使いの王国として存在している世界が舞台。
主人公の少年・供犠創貴(くぎ きずたか)は人間ですが、魔法使いを自分の手駒にして世界を支配するという野望を持っています。
創貴は自身の手駒として、長崎県の外の世界(人間界)へやってきたクラスメイトの魔女・水倉りすかを利用しようとします。
りすかが人間界に来た目的は、、、
・長崎県の外へ失踪した父親・水倉神檎(しんご)の行方を追うこと
・人間による魔法族への迫害につながることを防ぐため、人間界で悪事を働く魔法使いを討伐すること
りすかもまた、不案内な人間界で行動するため、あえて創貴と行動を共にします。
魔女りすかと人間創貴が互いの目的のためにタッグを組んで、悪い魔法使いと戦っていくストーリーが主眼となっています
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感想
読んでいて印象に残ったのが、登場する敵キャラのリアルさ・生々しさですね
敵も魔法使いなので、
「風を操る」
「相手の影を楔で固定して動けなくする」
等々、いかにもファンタジーな魔法を使用するのですが、
そうした夢のある魔法技とは裏腹に、
彼らの行動原理は妙に生々しいです
人を電車で轢いてみたかった
少女を監禁するロリコン野郎
等々。
悪役っていうと、普通
「最強になりたい」
「世界征服したい」
とか、大きな野望や目標を持っているイメージですが、
この作品に登場する悪役達は「魔法」という大きな力を持っていながら、
それを使って成し遂げようとするのは、小さく陰湿で歪んだ欲求を満たすことだけ
という、持っている技と行動原理の対比・アンバランスさが印象的でした。
悪役の設定として、斬新な感じがしましたね。
2004年に刊行され、一旦休止するも2020年に再開された「りすか」シリーズ。
現代の社会では
いわゆる「お話の中の巨悪」を描くよりは、「現実の身近にいそうな凶悪犯罪者」の方が敵キャラとして映えるのでしょうか・・・?