どうも!
今回は荒俣宏著「平安鬼道絵巻」の感想です!
平安時代を舞台に、「鬼」が登場する9つの短編ストーリーが収録されたオムニバス形式の本です。
一番印象的だったのは、「丑御前」の話でしたね。。。
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京の権力者・多田満仲の子供として生まれながらも、異形の姿で生まれたことで山に捨てられた丑御前。
満仲に認められようとするも、結局は裏切られ、策略で殺されそうになります。
命からがら生き延びた丑御前は怒りで鬼となり、関東で鬼の国を打ち立てて京と戦おうとします。
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その他にも、夫に捨てられた怒りで復讐しようとする妻や、
安倍晴明に捨てられて人を食うようになった式神などが登場します。
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規模の大小(政争から家庭の問題まで)はあれ、どの話でも虐げられた者が鬼になる展開が共通しています。。。
「丑御前」の話に戻ると、最後に平将門や崇徳上皇などの怨霊も仲間に加えようとしていますが、、、
まさに彼らは歴史の敗者ですものね。。。
この本では、鬼というものを「怒りで暴走した『敗者』」としてとらえているのかな、と感じました。
「鬼=角が生えた虎パンツのマッチョメン」という単純なイメージだけで読むと、いい意味で認識を覆されます!
ぜひご一読を!