フリーエンジニアを辞めました | フリーエンジニアを辞めました

フリーエンジニアを辞めました

ブログのタイトルを変えた。これまで「フリーエンジニアになりました」だったが、「フリーエンジニアを辞めました」になった。


タイトルどおりフリーエンジニアを辞めたのだ。


どうにかフリーを4年あまり続けることができたが、さすがに今般の不況を乗り越えることが出来なかった。


今回の不況は2つの意味でフリーエンジニアに困難な時期となった。


一つ目は純粋にIT投資の需要がなくなったこと。2008年のリーマン・ショック以降、世界中から需要が「蒸発」したと言われている。特にIT投資は企業の投資の中では、接待費や広告宣伝費の次に優先度が低いと言われている。IT投資の落ち込みは深刻だ。リーマン・ショックから1年がたった今でも、多くのソフトハウスでは仕事にあぶれた技術者が社内で待機している。


二つ目は企業がコンプライアンス重視に傾いたこと。数年前に大手家電メーカーが偽装請負をやって批判を浴びた。それ以降、メーカーを中心に偽装請負を疑われそうなことを避けるようになった。客先常駐でソフトウェアを開発する行為は、多くの契約では「請負」でやっているはずだ。ところが実態は請負なのか派遣なのかとてもグレーである。


そのような背景のなか製造業(とそのグループ企業)を中心に「一人請負」を受け入れなくなった。チームではなく一人で常駐すると、第三者が見たときに「派遣」だと思われることを嫌っているのだ。


さらに個人事業主を受け入れない動きも出てきた。企業が保険や雇用責任を免れるために、社員として雇うのではなく、労働者に個人事業主として請負契約を強いる企業が社会問題化した。そこで当局が雇用契約の適正化を促すようになった。その結果、企業側は個人事業者との請負契約を敬遠するようになった。


二つ目のコンプライアンス重視は、不況の影響という側面もある。景気が良くて技術者が不足していれば、コンプライアンスなど気にせずに技術者集めに走るだろう。


そのような背景の中、フリーとして仕事が取れなくなった私は、あるソフトハウスの社員になった。ハローワークで求人を探して見つけた。フリーで4年間やってきたが、営業力が全くなかった私は今回の不況を乗り越えることが出来なかった。


(仕事があったときの)フリーと比べるとサラリーマンとなって収入は激減した。ただし、今の会社はそれなりの人数の営業を雇って、営業力があるので、就職してまもなく常駐先が見つかった。


こんなブログをやっているとフリーになりたいという方から相談のメールを寄せられることがある。いまはフリーになるには最悪の時期だ。フリーになるなら、景気が回復するまで様子を見るべきだろう。