書評『デッドライン-ソフト開発を成功に導く101の法則』 | フリーエンジニアを辞めました

書評『デッドライン-ソフト開発を成功に導く101の法則』

久しぶりに面白い本を読んだ。小説という形態をとったプロジェクトマネジメントのハウツー本。

主人公はベテランのプロジェクトマネージャであるウェブスター・トムキンス。米国のとある企業に勤めているが、リストラの憂き目に会う。そんな折、外国の工作員に拉致される。連れて行かれたのは、旧共産圏のモロビア。

モロビアの国家大総統(NNL)がモロビアを世界一のソフトウェア輸出国にするという目標を打ち立てた。モロビアは教育水準が高く、十分な数のプログラマーがいる。いないのは優秀なプロジェクトマネージャである。拉致されたトムキンスは、6つのソフトウェア開発プロジェクトのマネジメントを任される。

6つのソフトウェアを開発するのだが、18チームが編成される。プロジェクトを取り巻く環境が、生産性にどのような影響を与えるかを観察するために、3つのチームが同じ製品の開発を競い合う。題して「プロジェクト管理実験室」。

トムキンスは、プロジェクト管理実験室で様々な課題に直面する。周りのスタッフに支えられそれらを解決していく。その中でソフト開発を成功に導く法則を発見していく。

というのが筋書き。

国家大総統は米国人の実業家で、レバレッジド・バイ・アウト(LBO)という手法で、モロビアを買い取ってしまったという、漫画のような荒唐無稽な設定。

そのほかにも、トムキンスを取り巻く登場人物は一癖もふた癖もある個性的な人たちばかりで、これらの人々が物語を面白くしている。

構えずに読めるプロジェクト管理の指導書的な存在である。


デッドライン―ソフト開発を成功に導く101の法則