システムの投資効果を評価する | フリーエンジニアを辞めました

システムの投資効果を評価する

システムの投資効果は、まだ企画段階で測れない時に見積もられます。そして、システムが本稼動して実際に測れるようになると、誰からも見られなくなります。


最近はユーザさんがするシステム企画のをお手伝いをしています。システム企画では、現状の業務を分析して課題を洗い出します。その課題をどうやって解決するか考えます。そして、その解決策を実現するために、どのようなシステムを導入するか考えます。そしてシステムの費用対効果を見積もります。これらをシステム企画書にまとめて、レビューに臨むのがシステム企画でやることです。


システムの導入には当然のことながら費用がかかります。本稼動までに掛かる初期費用と本稼動後に掛かる運用費用です。これらもシステム企画の段階で概算費用を見積もります。過去の同規模のシステムから、だいたいで類推するケースがほとんどです。システムの要件がかっちりと固まっているならともかく、そうでもない企画段階で費用見積にあまり暇をかけても勿体無いからです。


そして、システムの投資効果を見積もります。効果の書き方は定性的なものと定量的なものを書きます。定性的な情報は感性に訴えることを書きます。例えば「配送のリードタイムが3日から2日になる。」「四半期に一回のレポート出力が毎月可能になる。」などを書きます。定量的な情報は銭勘定に訴えることを書きます。例えば「売上が200万円/月増加する。」「管理費用が150万円/月減少する。」などを書きます。


この効果の見積は仮定に仮定を重ねて求めます。「一ヶ月の取引件数を2000件と仮定し、一件につき事務処理に15分掛かると仮定して、○○にXX円掛かると仮定すると。。。」というように仮定に仮定を重ねます。


この見積は、あまり目に付く数字を書かない限り、システム企画のレビューをやっても「どうやって見積もったのか?」や「その数字は本当か?」などと誰も突っ込みません。


これからやることなので、どんなに頑張ったって正確な数字を得られるはずはありません。正確な数字が得られないのだから、あまり時間を掛けても勿体無いだけですからね。


企画段階で正確に見積もれませんが、システムの稼動後に「評価」をすることは出来ます。システムが稼動した後なら、関連業務に掛かる費用を集計すれば、どれぐらい減ったか(もしくは増えたかドクロ)を把握できるからです。しかし、私が知る限りで後に「評価」をやっているところは無いです。これはここの企業文化にも拠るでしょうが、ちゃんとやっているって話を聞いたことが無いです。

私がシステム企画の責任者ならば、「あとてしっかり評価するぞ」って言われると、萎縮して思い切った企画が出来なくなります。ですから、評価を曖昧にしてくれると気が楽です。しかし、システム企画はレビューを通った時点で、個人の責任から組織の責任になります。組織の業績を評価するのだから、今後のシステム施策を改善するためにも、評価をするべきでしょう。


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