孔子廟からすぐのところに、オランダ坂があります。

オランダ坂入口
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入口の坂を登ったところで、通りかかったタクシー運転手さんに声をかけられ、いろいろ観光案内をしたり写真を撮ったりしてくれました。

ドラマ「仁」で使われた旧アメリカ領事館
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これも運転手さんが案内してくれた場所。知らずに通り過ぎるところでした。
ドラマ「仁」で、中谷美紀演じる元花魁の結婚式場として使われた洋館。
ちなみに、オランダ坂にはオランダに関係する建物はありません。オランダ人は、みんな出島に移動させられていました。しかし、当時の日本人には西洋人の見別けがつかなかったので、馴染み深いオランダの名前をつけたそうです。

当時のままの石畳
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アメリカ領事館のすぐ前に、古い石畳の坂道があります。
オランダ坂の石畳は、何度も修復されて石も新しくなっていますが、ここだけは一度も修復されておらず、当時のままなのだそうです。
ここで使われている石は砥石で、水分をよく吸収するので滑りにくいのです。

この運転手さんは仕事で写真を撮っていたのですが、たまたま通りかかった私達のために、タクシーを停めて歩いて一緒に回ってくれました。
面白いお話をたくさん聞かせてくれただけでなく、ついでだから眼鏡橋を案内してくれると言ってくれたのですが、次はグラバー園に行くつもりだったのでここでお別れしました。

蛇足:なんとなく撮ってみた
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ひらがなの「ち」に見える…

再び石橋駅まで戻り、孔子廟やオランダ坂と反対側へ歩いて行くと、グラバー園スカイロードが見えてきます。
スカイロードへ向かう途中、グラバー園近くにお住まいのおじいちゃんが、家に帰るついでだからと道案内してくれました。

グラバー園スカイロード
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金網越しに撮ったので見にくい…。
スカイロードは斜めに上がって行くエレベーターで、日本でここ一つだけなんだそうです。これができるまでは、細い石段をひたすら登らなければならなかったと話してくれました。
定員があるので入口付近は並んでいます。

猫が多い
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猫が多いのにも理由があります。
鎖国時代、中国から砂糖や煙草を木箱に詰めて運んできたのですが、ネズミがかじるので船に猫を乗せてきたのです。その猫を長崎で放し、また次の船が猫を放し、とするのでものすごく猫が増えてしまったんだとか…。

また、おじいちゃんには、見つけると幸せになれるハートの石の場所とか、長崎に原爆が落とされることになった経緯なんかを教えてもらいました。
「今度は彼氏と来いよ!」って何度も言われながら、グラバー園の入口でおじいちゃんとお別れ。

私達はグラバー園へ行ってから大浦天主堂へ行きましたが、まず大浦天主堂に向かった方が回り道しないで済むかもしれません。

大浦天主堂
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美しい教会です。1865年プチジャン神父により建設された、天主堂としては日本最古のものです。

教会の外にあるキリストの像
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天主堂入口に立つ聖母マリア像
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教会内は撮影禁止ですが、信者でなくても礼拝することができます。
祭壇の向かって右側には美しい聖母像が。キリシタン弾圧の250年間、教会も神父もいない中潜伏し続けた長崎の信者達が、この聖母を一目見るために訪れたため、信徒発見の聖母像と言われています。
また1930年には、アウシュビッツ強制収容所で妻子ある囚人の身代わりになって餓死刑に処せられた、コルベ神父が宣教師として訪れました。

長崎は美しい教会がいくつもありすが、原爆で破壊された浦上天主堂といい、どれも悲しい歴史を持っています。だから一層美しいのかもしれません。