やあ!

エピクロス!

昨日は悪かったね。

さ、つづきを話そうか。

 

 

つづきねぇ。

しかし、

そんなに話すことなんてあるか?

 

あるよ。

だって、一国のトップだった人が殺され、

しかも

なんだか勘違いでみたいな話になってるんでしょ?

簡単に終わることじゃないと思うんだけど。

 

そうかもしれんが、

いま分かってることだけで

話すのも危険な感じがするんだよな。

 

確かにね。

ま、真相ってことになると

昨日のタキトゥスみたいな感じになるよね。

でも、

被疑者の有り様みたいなことだけは

話せるんじゃないかな?

 

たとえば?

 

うん、

こういうのはどう?

自分は損害を受けたという意見を取り除け。そうすればそういう感じも取り除かれてしまう

被疑者はそういうふうに

考えられない人間だってことだよね?

 

ああ、そりゃ、アウレリウスだな。

 

しかし、

まあ、難しい部分はあるとは思うがな。

なにしろ自己発信のことじゃなく

特定の団体から相当な不利益を蒙ったんだし、

 

でも、

だからといって

人を殺していい理由にはならないよね?

けっきょく「意見」でしかない恨みを捨てられずに

その「感じ」に巻き取られただけでしょ?

しかも、

自らの「意見」に取り憑かれ、

直接的には関係ない者を撃つなんて考えられないよ。

 

まあ、確かにな。

そういえば、アウレリウスには

こういうのもあったよな?

ほら、

君を操っている者は、君の内に隠れていることを記憶せよ

ってやつだ。

被疑者は自己の内に潜んでる者、つまりは

自己の意見に操られていたってことになるな。

 

そうだね。

ま、簡単ではないだろうけど、

怒りや恨みを抱いたときには

自分は損害を受けたという意見』を

持たないように、あるいは持ってしまったら

取り除くようにしないとね。

 

ふむ。

そういや、エピクテトス、

君の言葉にこういうのがあったな?

人々を不安にするのは事実ではなく、それについての考えである

それも同じことに通じてるように思えるんだが。

 

ああ、まあね。

だけど、それにはつづきがあるんだ。

ま、

これだって逆説的にではあるけど

被疑者へ聴かせてあげたいね。

 

ん? どういうのだ?

 

人々を不安にするのは事実ではなく、それについての考えである。死はなんら恐ろしいものではない。むしろ死は恐ろしいという死についての考え、それが恐ろしいものなのだ
きっと被疑者は『死』を

過剰に気にしてるんだよ。
自己の死も他者の死もね。

その恐れも原因の一つに思えるね。

それと、

影響力のある人物を狙うことで

主張を通そうとしたのだろうけど、

その考え方自体が《かまってちゃん》だよね。

 

いかに強力な壁でも

それこそ言論の力で打ち破ろうとしなくちゃ。

ま、

アホにいくら言ったとこで仕方ないのかもしれないけどね。

 

 

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《雑司ヶ谷に住む猫たちの写真集》

 

 

雑司ヶ谷近辺に住む(あるいは
住んでいた)猫たちの写真集です。

 

ただ、
写真だけ並べても面白くないかなと考え
何匹かの猫にはしゃべってもらってもいます。

 

なにも考えずにさらさらと見ていけるので
暇つぶしにどうぞ。