『んーーーーーー!!

うんまい!!』

 

『うん、うんめぇ~!!』

 

2人で顔を見合わせて笑う。

 

『やっぱりここのピザは最高!!

パスタも美味いし、サラダも新鮮だし。』

 

『おいら、こんな風にテーブルに一切れずつ持ってきてくれるピザって初めて!!』

 

はしゃぐおいらを翔くんがニコニコしながら見る。

 

おいらの目の前には、一切れずつのピザがたくさん並んでる。

 

Kissのあと・・・お腹も空いてるから、ランチにしようって翔くんが言って、

翔くんのお気に入りのお店でランチになった。

 

翔くんはイタリアンが好き。

 

うーん・・・違うな、なんでも好き(笑)

 

和食に中華にイタリアン。

 

それに・・・たぶんフレンチも。

 

フレンチって、おいら食べたことないし、

翔くんが食べてるところ、観たこと無いからわかんないけど(^^ゞ

 

櫻井ホテルだから、きっと食べたことあるよね。

 

いつか、一緒に食べるとき、あるのかな。

 

おいら・・・食べられるのかな???

 

んふふ、おいらの知ってる翔くんは、

カレーが好きでグラタンが好きでパスタが好きでポテサラが好きでチーズが好き(*´艸`*)

 

で、今日のランチはイタリアンのお店。

 

それも・・・こじんまりしてるんだけど、パスタとピザのランチセットだとピザが食べ放題のお店。

 

お店の中にピザ窯があって、高級なお店じゃない感じなのに、なんか高級感で。

 

でも、一口食べたら、超絶美味くて!!

 

少食なおいらも、お店の人がピザを持ってくるたびに

 

『お願いします!!』

 

って言っちゃった(*´艸`*)

 

マルガリータとパイナップルのとベーコンチーズと

 

照り焼きチキンとじゃがカレーとたっぷりチーズと・・・

 

全部美味しい!!

 

『2週間ぶりだからね、智くんに会えるの。

楽しく食えて、美味いのがいいなと思ってさ。

ふふ、良かった。智くんがいっぱい食って、嬉しそうで(*´艸`*)』

 

むぅ・・・おいら、翔くんとご飯食う時、結構楽しそうに食ってると思うけど・・・

 

『おいら、いつも楽しそうじゃない?

いっぱいは食えないけど、翔くんとご飯、凄く幸せで凄く嬉しく思ってるよ。』

 

『知ってる(*´艸`*)』

 

『でも・・・もっと幸せそうな顔が見たかったし、それに・・・』

 

チュッ

 

一瞬、おいらの唇に唇が触れる。

 

『食欲が満たされないと、次に・・・いけないからね(^_-)-☆』

 

ん?次?

 

おいらが首を傾げると、翔くんがクスクス笑った。

 

ふー、お腹いっぱい(笑)

 

『ご馳走様でした。』

 

『美味しかったです。』

 

『ありがとうございました。

とてもいい食べっぷりで、私たちも嬉しくなりましたよ。』

 

『櫻井の坊ちゃん、また来てください。

うちはいつでも大歓迎ですから。』

 

お店の店長さん・・・シェフさんかな・・・と奥さんが笑顔で言う。

 

『また来ます。ここは俺の懐に優しいので(*´艸`*)』

 

『お、おいらも!!

1人だと来れないけど、翔くんと・・・友達と父ちゃん、母ちゃんとも来ます!!』

 

『ぜひ、来てください。』

 

『はい!!』

 

『じゃあ。』

 

2人に挨拶をして、見送られながら店を出て、駐車場の車に乗る。

 

マジで、凄く美味かった!!

 

これから・・・どうするのかな。

 

今は・・・14時くらい。

 

夕飯の時間までまだまだあるし、それに、いつも以上にお腹いっぱいだから、

夕飯は・・・遅くなってもいいくらい。

 

遅くなる時は連絡しないとだから、車で母ちゃんにLINEをする。

 

”今日、少し帰るの、遅くなると思う。

いつもの夕飯までには帰れないかもしれないから、

父ちゃんと先に食べてていいよ。”

ブブッ

 

マナーモードもスマホがおいらの手の中で震える。

 

母ちゃんからすぐに返事が。

 

”櫻井君と一緒なんでしょ。そうなるかなって思ってたわよ。

夕飯のことは了解。でも外泊はダメよ(笑)”

 

外泊って・・・

 

どこに泊まるんだよ。

 

明日も大学、あるんだから。

 

『智くん、どうしたの?』

 

エンジンをかけて、これから出発になる前に翔くんがおいらを覗き込むように見る。

 

『うん、母ちゃんにLINEして、その返事が・・・』

 

『お母さん、なんだって。』

 

『夕飯は先に食べていいよって言ったら、”了解”って』

 

『そう・・・了解・・・』

 

翔くんがゆっくりアクセルを踏んで、車が走り出す。

 

『少しドライブしようか。ちゃんと送るから。』

 

『うん。母ちゃんから外泊はダメって・・・』

 

ブッ!!

 

『ブハハ!!

お母さん・・・脱帽だな(笑)』

 

『脱帽って?』

 

『智くんは、わからなくていいの(*´艸`*)』

 

『さーて、どこに行こうかな。』

 

『おいら、海見たい!!』

 

『姫、承知しました。』

 

『むぅ・・・おいら、姫じゃないもん。』

 

『いいや、可愛い姫だよ。

智くんの希望の海に向けて、行くぞ~!!』

 

『おぉー!!行け~(笑)』

 

翔くんがアクセルを踏んだ。

 

 

続きます。