1時限目は奈良先生の授業。

 

おいらの大好きな授業。

 

総合芸術学部で美術系の学科の学生はほとんど取ってる。

 

だから、教室はほぼ満員。

 

『大野君、こっちだよ。』

 

『うんうん、ここ、ここ。』

 

『いつもの席、みんな空けてくれてるよ(笑)』

 

『櫻井君から、ちゃんと指示もらってるよ(笑)』

 

ゼミの友達がおいらを呼んで、いつもの席に座る。

 

『大野君、1人でここに座るの、初めてだから、緊張してる(*´艸`*)』

 

『櫻井君がいなくて寂しいかもしれないけど、おれらがいるからね。』

 

『うんうん、ちゃんと定位置に座って、櫻井君の代わりに大野君を守るから(笑)』

 

ん?どういうこと?

 

確かに・・・1人で授業受けること、今までなかったし、

翔くん、いなくて寂しいけど、おいらを守るって???

 

おいら、守って貰ってないよ。

 

みんなが顔を見合わせて頷いて、おいらの後ろの席に座る。

 

いつもと同じように。

 

1人だけ・・・町田が1つ席を空けて、おいらの隣りに座ってVサインをする。

 

『櫻井君から許可、貰ったからね。

1つ空けてだけど(笑)』

 

『智に変な虫がつかないように、今日はここに座っていいって(笑)』

 

『『『うんうん(*´艸`*)』』』

 

えー!!

 

『いいチームワークだろ(笑)』

 

夏の合宿でみんなと仲良くなった翔くんの行動力・・・びっくりだよ。

 

おいら、そんなに心配?

 

『町田~、おいら、そんなに危ない感じ?』

 

町田がクスクス笑う。

 

『危ないんじゃなくて、智は可愛いんだよ。

可愛くて、魅力的。』

 

『だから・・・』

 

町田がおいらの頭をくしゃくしゃってする。

 

『櫻井さんが心配なの(笑)

ああいうのとかね(*´艸`*)』

 

町田が向いた先には、松本君がいた。

 

あっという間に奈良先生の授業は終わって、

2時限目はゼミの・・・なんだろ、大学祭のオリエンテーション?みたいな感じ。

 

それも、夏休みの合宿と一緒で、カズが取ってる、高橋先生のゼミと合同の集まり。

 

ちょっとワクワクする。

 

松本君は舞台芸術で香川先生のゼミだから、1時限目が終わったら、

手を振りながら教室を出て行った。

 

『あいつ・・・結構、強いかも(笑)』

 

『櫻井君が知ったら・・・うん、絶対に知られないようにしよう!!』

 

もうー、友達なのに。

 

『みんな、松本君、友達だよ。な、カズ。』

 

『まあ・・・友達っていえば友達だけど、触らぬ神に祟りなしだからね(笑)』

 

『同感。』

 

『俺も!』

 

『俺も、ニノに1票!!』

 

『俺もな。』

 

『なんだよ、町田まで。』

 

おいらがプンプンしたところに

 

『俺も、みんなに同感かな(笑)』

 

奈良先生が高橋先生と一緒に笑いながら入ってきた。

 

 

続きます。