ネットオークション大好きな私。
クラシックレンズに手を出してしまいました(笑)
クラシックレンズって、ぽわーんと今一つピントの合ってなくて彩度も低い感じを「趣がある」って楽しむんだろ。
俺はそんなの興味ないね。
とおっしゃるあ・な・た!
いえ、ツァイスやライカなど独逸の第一線のメーカーは1960年代にもう驚くべきレンズを造っていたのです。
その1
ハッセル・ブラッド用の100mmプラナーF3.5。(カール・ツァイス製)
(ハッセル用のプラナーって、80mm、100mm、110mm、120mm、135mmとやたらとあるんです。(120mmと135mmはマクロ)
ハッセル・ブラッドのレンズを35mm判に換算したければ、×0.6倍(80mmで換算48mm。もちろんフォーマットが全然違うけど)、645Dで使う場合は×0.8倍(100mmで換算80mm))
プラナー100mmF3.5は1960年代始め頃には出ていて、F3.5と明るさを抑えた関係で一連のハッセル用レンズの中でもっとも解像度・コントラストが優れたレンズ。
1970年始めにT*(Tスター)コーティングがされました。
私が手に入れたのは、そのT*物。
なまけてコンデジの高感度撮影です。ノイズ出てるの許してくれー(笑)
T*になった時に黒鏡胴で先端がシルバーとなりました。(レア物としてシルバーのもあるようですが)
このデザインが現在のコシナが販売しているツァイスレンズに踏襲されました。
コシナのツァイスレンズの先端がシルバーで、「なぜだろう?外光が反射する可能性がありそうなのに」と思っていたあ・な・た。こういう理由だったのですよ。
たぶん、昔は黒色仕上げの耐久度が少なかったので、フードを付けたり外したりしていると、スレてすぐに地金が出てしまったのではないかと思います。
このレンズもヘリコイドのリング部分がスレて地金が出ています。
(だから3万円台と安かった)
でも、このレンズ、とてもよく写ります。
実はもう実戦に投入していて、
このレンズで撮影しました。
特にトーンがとても良く出ます。
私はコンタックス(やはりレンズはツァイス製)でカメラに入ったせいか、トーンがよく出るレンズ/カメラが好き。
人間の肌の色は断じて1つではない!
このトーンの豊かさという点では、現代のレンズもかなうものが少ないように思います。
その2
カール・ツァイスと並んでコシナが取得したブランドの「フォクトレンダー」
フォクトレンダーはツァイスとはライバル関係だったのですが、そのフォクトレンダーが倒産した後、ツァイスがフォクトレンダー用のレンズを造ったことがあります。
カール・ツァイスの「ウルトロン」 (ウルトロンはフォクトレンダーのレンズで最高のものに付けられた名称)
トヨタ・スカイラインみたいな名前のレンズです。
これが凄いレンズという噂はあちこちで聞いていました。
前玉が凹レンズという面白い構成で、通称、凹み(へこみ)ウルトロン
例えばマップカメラの解説
http://news.mapcamera.com/mapsele.php?itemid=6094
こんな作例も。凄い!
http://www.nocto.jp/shopdetail/010002000028/order/
皆さん、共通して語っているのは、レンズ構成が特殊なので、ピントが合ったところは高解像度なのに、ボケは同じF値でも一般のレンズより大きいボケ、しかもそれもなめらかなボケということ。
一般のレンズとのボケ比較
http://spiral-m42.blogspot.com/2010/01/carl-zeiss-ultron-50mmf18-m42.html
http://blogs.yahoo.co.jp/kuzei_musi/38156171.html
えっ、解像度が高くて、ボケが大きくて、なめらか?
そんな都合の良いレンズってあるかいな。
あったら、現在のレンズもその構成を採用してるよ。
と思うわな。
でも、自分で手に入れてみて、その噂はどうやら本当らしいと分かりました。
22日のお寺で撮った写真が、私がこのレンズを始めて使ったものでした。
昨日アップしたものとは別カット。f1.8開放で撮影
ボケが大きくて(APS-Cサイズとしては)、そして柔らかなです。
顔をアップにしてみました。
まつ毛もシャープに解像しています。
すぐ近くの木のところで柔らかくボケていき、遠景は2線ボケの傾向が出ていません。
色のりがちょっと物足らない感じもしますが(でも日影ということを考慮する必要はありそう)、でも本当にきれいなボケで、シャープさも当日使っていたPENTAXのFA★ 31mmレンズよりもシャープなくらいです。
これが1960年代のレンズ。
やっぱりツァイスは凄いなと思った私です。