今日は松岡美術館へ。

ここはいつ来ても見応えがある。

 

今日最大のお目当ては、二階展示室の「アジアのうつわ」。

ことに朝鮮青磁。中国の青磁と微妙に色が違うのがいい。その形も色も文様も大好き。いつまででも観ていられる。平日昼間の展示室は人影もまばら。好きな作品の前で好きなだけ過ごすことができる。その他にはベトナムの青花がたくさんあり、中国とも日本とも違う文様に個性があって面白い。

 

「日本の山海」も素晴らしい。まずは山の展示から始まり、水は滝、渓流をへて海へと到達する。日本画、掛け軸、屏風、油絵が山と海というテーマに沿って同じ空間に集う。

 

作者を見ないで観ていて、これは日本人なら原風景として遺伝子に組み込まれているんじゃないかと感じた絵は東山魁夷だった。その他にも三原山、桜島、富士山など見慣れた山も、描く人が違えばこうも異なるのかと発見もある。

 

所々に志賀重昴による『日本風景論』からの抜粋が目に入る。全く知らなかったが読んでみたいと思った。岩波文庫版と講談社学芸文庫版があるらしい。kindle版もあると!悩むなあ。

 

ガンダーラ仏に挨拶をして美術館を出ると、次の目的地まで歩く。少し風は強いがさわやかで暑さはない。少しだけ坂を下って上って恵比寿ガーデンプレイスの東京都写真美術館へ。

 

「木村伊兵衛 写真に生きる」

『悩ましい彼』で平良一成が目指す、木村伊兵衛写真賞の木村伊兵衛である。「写真界の芥川賞」と呼ばれるほどの賞なんだとか。今回の滞在でどうしても観たかった。

 

どの写真も好きだけど、画家などの肖像写真が特に好き。「画室の川合玉堂」、「デッサンする上村松園」の二枚は特に。横山大観も志賀直哉も永井荷風も谷崎潤一郎も個性が感じられる。沖縄や秋田の人々を撮った写真も。

 

さて、約二週間のモラトリアムも終わり、明日は再び広島へ。

あ、そうそう。東京駅で降りて大丸のずんだ茶寮に。ご近所さんへのお土産にずんだ餅を購入し、自分のためにずんだシェイクを注文。シェイクと名のつくもので一番おいしいと思う。