わたし流仕事術の紹介

 

 

 

 

 

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 「仕事術」というほどのものは持ち合わせていないのにこのハッシュタグをつけて恐縮だが、仕事についてつらつら書いてみたい。以前にも書いたような気がするが、私が仕事に求めることは「楽して稼げる」か、「楽しい」か、どちらか。両方満たしていれば、なおいい。楽して稼ぐ、というとアブナイ香りやヤバイ匂いがするが、逮捕されたり、反社会性力に目をつけられたり、命を落とす可能性があったり、世間から後ろ指を指されたり、数年後に罪悪感や自己嫌悪で死にたくなったりするような仕事は、私の基準では「(精神的に)楽ではない」ので、除外される。

 

 この二つ、どちらも、とっても重要。なので仕事術といわれるとおこがましいが、働く上で「楽して楽しむ」ということを実現したいと思っている。

 

 必然的に、仕事道具に自腹を切ることが増える。今の職場ではマウス、キーボード。外勤にいたときはノート、ペン、バッグ、靴、スーツケースにもこだわっていた。あと、大量の本。仕事の参考になる書籍に対しては、マジで金に糸目をつけなかった。どさどさと買って、家の棚にまりまりと積んで、読んでいた。その方が「楽で楽しい」から。自分の仕事の成果物なのだから、よりよいものにしたい、その過程を楽しみたい、全力を尽くしたと、少なくとも自分だけはそう思いたい。それが金で解決できるならいいじゃないか、と思っていた。いまもYouTubeを見るとき「ライフハック系」「仕事場紹介系」「机の上には何が系」「カバンの中身系」が好き。常にもっと楽したい、もっと楽しみたいと思う。けっこうお高い無音系ワイヤレスキーボードを使っているときと、会社のPCに備え付けの安い有線キーボードとでは、感覚が全然違う。

 

 思い返すと、こどものころから好きなこと、楽しいことしかしない性格だった。努力、忍耐、我慢、克服、克己、そういうのは全然ないこどもだった。大学受験のときも、得意な英語と世界史と小論文だけで受験できる私大を受け、運良く合格をもらった。数学、物理、科学は、ちょっとどころかまったく分からなかった。今もまったく分からない。分からないなら勉強すればよさそうなものだが、高校時代はそもそもほとんど家で勉強しなかった。部活が忙しかったし、学校遠くて通学大変だったし、時間あれば本読んじゃうし。授業はさぼらず出ていたけど。だから国公立大学卒業の人には今も無条件で敬意を抱いてしまう。ベクトル分かりました? モルってそもそも何ですか? 何でそんなに頭いいんですか? と問い詰めたくなる。世間的にはすごく優秀とされている私大に英語世界史小論文だけで運良く合格した私は優秀な人材と勘違いされ続けて生きており、それはそれでつらいのよ。

 

 昔、かなり昔「相棒」で右京さんと、小料理店のおかみ(そのときは右京さんの元妻。演じていた方はいろいろあって芸能界から離れておられる)との間でこんな会話があった。

 

「右京さんは学生時代、何をしていたんですか」

「そうですね、女の子とデートをしていました」

「東大で勉強ばかりしていたんじゃないですか」

「勉強は、しなくても、できましたから」

 

 これだけを聞くと、右京さんはなんと嫌みな奴かと思うが(たしか東大首席のはず)、まったく違う観点から右京さんの気持ちがちょっと分かる。特命係での仕事ぶりを見ていると、右京さんもきっと「好きなことしかしない」性格だからだ。アタマの中のCPUのデキがまるで違うから、右京さんは東大首席になり、私はしがないサラリーマンになったのだというだけで、右京さんは私の仲間だと勝手に思っている。

 

 で、なぜこんなことを書いたかというと、うちの会社の社員は、仕事をつまらなさそうにやっている人ばかりだからだ。老いも若きもいわれたことしかしない、できない理由を探す、新しいことに挑戦しない、責任を回避する、アイデアがない・・・。

 

 使えない奴ばかりだ! といいたいわけではない。いや、つまらないなら辞めれば? と、やる気のかけらもなように見える同僚にいいたくなるときはある(うちの会社はどんどん給料が下がっているので、「楽して稼げる」という私の基準からどんどん遠ざかっている、というのもある。しかし言うまでもないが、私のようなふざけた考え方で働いている人ばかりではない)。ただ、これは社員の責任というより、むしろ会社の責任、上層部の責任だろうと思う。若者のアイデアをつぶす、パワハラまがいの言動はいまだにそこかしこにある、会社に意見を言うと左遷される、どうせつぶすくせに「アイデアを出せ」と迫る、頑張っている社員のハシゴを外す・・・。うちの社長の合い言葉はTTPだ、という怪文書が出回ったことがあった。TPP(Trans-Pacific Partnership、環太平洋パートナーシップ)ではない。TTPだ。「徹底(T)的に(T)パクれ(P)」の略だそうだ。同業他社でうまくいったことはとにかくまねをしろ、手っ取り早く数字を上げろ、という意味らしい。二つ目のTがちょっと強引だということは置いといて、どうせならTPPにそろえて「徹底的(T)にパクレ(P)としつこく迫るパワハラ(P)野郎」とかにしたらどうかなんて思うのも置いといて、なるほど確かに現経営陣にはそういうところがある。それにしても、いま上手いこと言ったな。まじ天才。私も怪文書流そうかしら。

 

 この環境で楽しく働くのは大変だ。特に、1年前まで会社のけっこうメインストリーム寄りの中にいた私は、上下左右から押し寄せるプレッシャーに押しつぶされて、あっという間にメンタルをやられた。今は会社の傍流に異動して、よくない方向にどんどん流れていく会社というものを冷静に眺めようと思っている。私は人生を楽しみたいのだ、だから仕事も楽しみたいのだ、それを邪魔する奴は何人たりとも許さん、という気持ちでいる。

 

 日本経済そのものが衰退していく中、どこの会社も大変だろうと思う。うちの会社もゆるやかに衰退していくのだろう。最近、退職者がすごく増えている。優秀な人もそうでない人もいる。会社の中核を担うと期待された人もいる。真剣に考えれば考えるほど、ウチの会社で働くことに未来を感じないのだろう。私のようにへらへら生きていると、そこまで突き詰めて考えないから、なんだかんだ定年までだらだらしていそうだ。ミスチルの歌で

 

「不景気のあおり受けて社内のムードは緊迫してるから僕1人が浮いてる」

「優秀な人材と勘違いされあの日の僕はただ過酷なしがらみをかきわけては頭を下げていた」

 

 という歌詞があり、僕はそれを聞くたびにしみじみするのだが、へらへら生きている自分のことを何とか肯定したいと思っている。

 

 このブログを書くとき、いつも締めに困る。きょうも困っている。ありきたりな人間なので、ありきたりな言葉しか出てこないのだ。だからきょうもありきたりな言葉で締める。楽して稼げる。楽しい。この二つを踏み外すような働き方だけは決してすまいと思っている。