レンタル傘で70%の返却率を誇るダイドー 成功の秘訣は?

https://www.news-postseven.com/archives/20170618_564835.html?PAGE=1#container


・福井市の女子高生徒らが慈善団体の支援を受けて2006年から続けてきた「愛の傘」活動は、貸し出した傘の返却率が一向に上がらず、累積は1100本に。10年の活動に終止符を打たざるを得なくなった。


・北海道新幹線の開業に合わせて函館市で始まったビニール傘のレンタルサービスは、駅やフェリーターミナル、空港など6か所で計約2300本の傘を貸し出したものの、戻ってきたのはわずか1割の200本ほど。サービスは1年であえなく廃止されてしまった。


・そんな中、レンタル傘返却率70%を誇るサービスがある。飲料メーカーのダイドードリンコが201510月より関西エリアで行なってきた自動販売機を活用した「レンタルアンブレラ」である。


・ビニール製ではなく繰り返し使える品質の傘

・『DyDo』のロゴを大きくデザインする

・事業所の敷地内や地元の方がよく通る商店街など、利用された方が返しやすい場所を中心に展開


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悲しいですね。

善意で用意されたものがなくなっていきサービス中止になる。

自分が助かったように、返せば他の誰かが助かると分かっていてもめんどくさくて返さない。



人が物を返す理由、返さない理由を考えて、どうすればレンタル傘が返ってきやすくなるか考えたいと思います。



◆人が物を返すのは何故か

・貸した人の物だから

・返すと思って所有物を預けてくれた信頼に応えたい

・貸した人に嫌われたくないから

・返さない奴とレッテルを貼られると信用が落ちて自分に損



◆人が物を返さないのは何故か

・忘れてた

・これくらい返さなくても問題ないだろ(価値を低く置く)

・このまま自分の物になっちゃえばラッキー



以上の事を踏まえて、



◆何故レンタル傘は返ってこないのか


・誰かの所有物という認識が弱い(捨てられたor忘れられて取りにこない物と想像できる)

・信頼されて預けられた訳ではない

・所有者がいない、分からない、遠いから嫌われても問題ない

・サービス提供者が所有者ではない(と思われる)

・個人情報を知られている訳ではないので信用が落ちる危険性がない

・傘自体数百円で買える使い捨てのもので価値が高くないと思われる

・他の商品にくらべ差別化がしにくい(図柄くらい)ため自分の物にして使っていてもバレない

・次の人が待っているかなんて分からない、リアルに感じられない



まとめると

傘の価値が低い、借りてる相手が曖昧、そもそも捨てられた物でしょ、返さなくてもバレないから信用が落ちない、となるでしょうか。



それらを解決するように対策を考えると



◆どうすれば返却率を高められるか


・品質の良い傘を使う(これは返さないと申し訳ない、損失だと思わせる)

・所有者をはっきりさせるために貸し出し場にサービス提供者の笑顔の集合写真を貼る(このレンタル傘は私たちが運営しています。協力お願いしますみたいな文言をつけて)

・企業の場合はロゴをつける

・借りる時台帳に名前を書いてもらう

・傘の表面(雨が当たる部分)に「これはレンタル傘です。次の利用者のために返却お願いします」と書いてしまう



といった対策が考えられます。

ダイドーの場合質の良い傘を使い企業ロゴをつけ、ダイドーの自販機に置いていたことで「ダイドーに質の良い傘を貸してもらった」という意識を強く持てたのではないでしょうか。



福井県の女子高生も「愛の傘」ロゴをつけていたと言うことですが、駅で貸し出ししていたのもあり''どこかのよく分からない団体が捨てられた傘を貸してる''くらいの印象しか与えられなかったのかもしれません。


とすると、学校や慈善団体が質の良い傘を買うことは難しいので、

・ロゴを「仁愛女子高校」とし、

・運営している女子高生の笑顔の写真とともに「次の方のために返却お願いします」という文言をいれたポスターを貸し出し場所に貼り、

・台帳を置いておき記名してもらう(仮名でも良い)

と返却率が上がったかもしれません。



多くが返さなくていくつかのレンタル傘サービスが終わりましたが僕は人間は汚い生き物だとは思いません。

想像力が乏しいとは思うので「所有者がいる」「次に必要とする人がいる」と意識してもらう工夫が必要だと思います。



「愛の傘」運動を始めた女子高生達はショックだったと思いますが、その活動を始め、続けた愛に敬意を表します。



不特定多数に物を貸し続ける行為はコストがかかります。ただ、貸してもらった相手に人間は親近感を覚え無意識のうちに借りを返そうとするのではないのでしょうか。



どれくらいのリターンがあるかは分かりませんが、''フリー''の発想と同じように「まず与える」行為は何かを生み出す可能性を秘めていると思います。