前回、学生時代に遭った交通事故のことを書いたので、今回もそのころの話を。
奨学金を借りれるだけ借りて進学した大学でしたが、勉強もせず、もっぱらバイトとサークル活動（ギターマンドリンクラブ）に明け暮れる毎日でした。
下宿生だったのでバイト選びの第一条件はまかない付きであること。
というわけで昼間は奈良公園のガイド、夜はスナックのバイトをしておりました。
奈良公園のガイドは、おもに修学旅行生相手で、春日大社から奈良公園を通って東大寺を巡るコース、全長約３ｋｍを歩くというもの。
研修などはなく、会社から渡された資料を自分なりに要約して手帳に書き留め、必死で暗記して即現場へ、というインスタントガイドでした。
なんとその時の手帳が先ごろ、片付けの最中に出てきました。
手帳の表紙をめくるとガイドコースの地図と、当時まかないをいただいていた土産物屋の
おばちゃんにもらった鹿の写真が貼ってあります。
この鹿は、白い帽子をかぶった幻の女鹿、白ちゃん。
そして次のページには
●コース、昼食時間と店名、バス乗車時間を知らせる
●同じ場所を通らないので後戻りしないこと
●迷子にならないようにしっかりついてくること
など、注意事項が。
この時の経験は、のちに教員になって修学旅行の引率をしたときに大いに役立ちました。
と言いたいところですが、方向音痴の私は、迷子にならないように前を歩くクラスの最後尾の生徒にしっかりついていくのに必死💦
（実際、東京駅で迷子になって途方に暮れた経験あり）
手帳のページをめくっていくと、「へーっ」と思わず声が。
ガイドしていたはずなのに「そうなの？知らんかった」ということがいっぱい書いてあります。
人の記憶っていい加減なものですね。
例えば奈良公園の鹿寄せのラッパはベートーベンの「運命」の一節だとか。
東大寺の参道の色違いの敷石は、中央から順にインド、中国、韓国、日本産の石だとか。
（仏教が伝わった順に並んでいる）
さて、このバイトで一番困ったのが、某工業高校の生徒さんをガイドしていたときのこと。
引率者の先生が「あれは何？」と先生が指さす先には奇妙な形の茶色い山。
若草山？のはずはない。生駒山はもっと遠いし・・・
結局答えられず、しどろもどろになってしまい、にわかガイドの化けの皮がはがれてしまいました（泣）
後で調べると、奈良の子はみんな大好き、奈良ドリームランドの
ボブスレーの岩山でした。
私は大阪の子だったので知りませんでしたが・・・。
実はこの奈良ドリームランド、アメリカのディズニーランド開園の6年後に作られた
和製ディズニーランド。
当時、本家を作ったウォルトディズニーの怒りを買ったという話もありますが、
『夢の国』との異名をもつディズニーランドを真似るのに、『ドリームランド』って・・・。
そのドリームランドランドも閉園して早十数年。今は廃墟と化しているようです。
手帳は、注意事項から始まり、奈良公園、春日大社、二月堂、三月堂、手向山八幡宮、校倉造、釣鐘、大仏殿、大仏様と続いて、南大門で終わるかと思いきや、なぜか最後のページに当時の1週間の日課表が書いてありました。（写真は恥ずかしくて載せられません）
その表によると、ガイドのバイトは火・水・金・日、サークル活動は月・水・土、
そして講義を表すと思われる『講』の文字が月～土まで書かれていました！
ちゃんと勉強もしていたんだ、私！
人の記憶っていい加減なものですね。
それにしてもわからないのが木・土の夜の欄に書いてある『Ｆ＆S』の文字・・・
いったい何をしていたのでしょうか。今となっては謎です。
スナックのバイトの話はまたいずれ。
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