MOA。ミニットオブアングルのお話。
すでに理屈がおわかりの方には児戯に等しいお話かもしれません。
わたしの鉄砲・MSS-20はボルト式であるため、射撃場での照準調整に向けた前準備(ボアサイティング)が非常に楽です。ボルトを抜きさえすれば銃身は文字通り筒抜け、 スコープとの差異をほぼなくした上で調整に臨めます。
そのため、射撃場での最終調整に動かすレティクルダイヤルは上下左右ともに5~6クリックで済みます。ちょい左よりか?と思えば右に5つクリック、行き過ぎてたらひとつかふたつ戻す。これで整うといった具合ですから「MOA」「MIN」の意味を深く考えたことはありませんでした。
なので「4クリックで3センチ動くよ」との話を耳にしたとき、は?と思いました。どんなスコープ使ってたかは知りませんけど、そんなに動くわけないだろと。

そこで自分の勉強のためにもと計算してみたわけなんですが、
結論でいうと「1/4MOA」または「1/4MIN」と表記のあるスコープで100m先の着弾を調整する場合、4クリックで2.9079cm変わります。これだと上記のお話は間違いとは言えないんですけど、その射撃場は50mレンジなんですね。距離が倍変われば着弾の幅も倍変わってきます。

ここから少し細かい話になります。
1MOAとは60分の1度の角度です。スコープの表記は「1/4MOA」とありますから1クリックで240分の1度変わります。
で、MOAとはあくまでアメリカの様式ですから想定している距離もヤード・インチです。
さらに細かくみると、1MOAは100ヤード(91.44m)の距離で1.047インチ(2.659cm)。1.047インチですから、アメリカではイコール1インチとされているようですけど、わたしたちの場合これをさらにメートルに換算しないといけませんのでここは厳密に計算していきます。
諸兄には想像のつくところだと思いますけど、
1MOAは100mで2.9079cmの差異、50mでは1.454cmの差異が生じます。
小数点以下の細かいところを端折りますと、
1/4MOA、1/4MINと表記のあるスコープの場合、1クリックで100mで7.27mm、50mで3.6mm変化します。
わたしたちが使うことの多い50mレンジであれば、
1クリック3.6mm
2クリック7.2mm
3クリック10.8mm
4クリック14.4mm
という変化になるでしょうか。

より細かい単位(例えば軍用の「MIL」ですとか)もありますけど、頭痛くなるのでこのへんにしておきます。
今回のはメモ書きというか自分のためのデータ取りという側面の方が強いですけど、お役に立てれば幸いと思います。