鉄砲の狙いをつける際、目の前に邪魔なものがあるのは誰もが嫌うところでしょう。わたしにとってはスコープそのものがそうでした。たしかにアイアンサイトがいちばんシンプルで視野は広いです。よく言われる照星と照門の間に生じる焦点(フォーカス)の差はわたしは特に気になりませんでしたが、10m先の鉛筆をエアガンで倒して遊ぶのならともかく、山中で50m先の動く相手のバイタルを捉えるにはやはりスコープは必須です。
加えてフタを跳ね上げるタイプのキャップもあまり好きではありません。上がったフタが視界を遮るし、射手から見て接眼左側にある親指でパチンと弾く赤いレバー装置も、レンズの縁から7~8㍉外に飛び出しており、たとえその程度の遮蔽物でも目の前にあると邪魔なものです。


対物50㍉のニコンを載せてた時にはレンズに埃や傷がつくのは嫌だなと前後のレンズキャップをゴム紐で繋いだものを使っていました。外すたびにポケットにしまうのが煩わしかったですけど。安物のタスコの時には裸のままでいいやと使っていましたけど、やはり土や埃の付着が視界に障るのは気になるものです。
念願のリューポルドを載せた際、やはりレンズは守りたい、かつ煩わしいものも避けたいと思い、結論としては忌避していた跳ね上げ式のキャップ(バトラークリーク社製)を導入しました。
わたしは右利きで、利き目は左。両眼(主に左)で周囲を見渡し、標的を発見したら銃身の延長線上にのせ、だいたいのアタリをつけたら左目はつむります。それでほぼレティクルの中心近くに入ります。
多少、神経質な話かもしれませんけどキャップはフタが左目の邪魔にならないよう右上45度に開く角度ではめ込み、接眼側にも対物用のキャップをつけました。やはり赤いレバーが目障りだったからです。(写真上)

スコープに入れれば勝負に使うのは右目のみ。スコープの中に追い込むまでは左目の役目。その左目の邪魔になるものはできるだけ排除しておきたいというのが今回の形に至った結果でしょうか。古式ゆかしいのを好むわたしにとって「レオン」みたいにキャップがカッコよくパカッと開く近代的な感じには抵抗がありますけど、手応えは感じてるとこでしょうか。加えてこれが山での結果につながってくれれば言うことなしですけれど。