こんばんは。今村光一です。


 紅葉が綺麗な季節となり、街道を走ると秋本番の到来を感じます。

 今日は、郡上鮎を炭で焼いて、皆さんと一緒に頂きました。


 庭木の剪定や、掃除をしていると、身体も温かくなり、食事も美味しく頂くことができました。


浄土真宗親鸞会 こうたろうのブログ

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◇「ああ、夢だったのか……」

  ~「一炊の夢」に秘められた、幸福へのヒント~(7)


「ああ、俺は死んだか……」

 盧生は、大きなあくびをして目を覚ました。


 名家の娘と結婚するところから、国家の元老として勅使を迎えて死ぬまで、五十年の間の夢を見ていたのである。


 五十年といえば、気の遠くなるような長い歳月のはずだ。

 それなのに、どうであろうか。

 茶店の主が炊いていた黍飯(きびめし)は、まだ、できていなかったのである。


 盧生は、がばっと身を起こして、

「ああ、夢だったのか……」

 とつぶやいた。まるで自分に言い聞かせるように。


 老人は、笑いながら言った。

「人生の楽しみも、こんなもんだよ」


 盧生は、「名誉と恥辱、富貴と困窮、成功と失敗の道理が、よく分かりました」 と、深々とおじぎをして、茶店を出ていった。


 これは、唐の時代に書かれた『枕中記(ちんちゅうき)』のあらましである。

 物語は、ここで終わっている。

「だから、こうすべき」と、結論は示されていない。


 さて、あなたが盧生ならば、このあと、どんな人生を選ぶだろうか。


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(参考文献)

・歎異抄をひらく

 (高森顕徹先生著・浄土真宗親鸞会 会長)」
・光に向かって100の花束
・なぜ生きる
・まっすぐな生き方