電話をかけたことを後悔して
落ち込んだ。

今朝、ママいや
と言い放った息子の顔も浮かぶ。



うまくできないんだ。

私なんてどうせうまくできないんだ。



ただでさえうまくできないのに
浮ついて恋愛なんてしたから。





そんなことを考えていた時、

携帯が鳴った。












元夫からだった。









「電話、出られなくてごめん」


「あっ…いや…
 こっちこそ…
    電話してしまってごめんなさい

 実は息子の事で相談がしたくて…」



緊張で詰まる言葉。

「なにかあったの?」


「今朝、初めて
 息子に ママいや って言われて…

    こんなこと初めてで…」



起こっている状況だけではなく
緊張で動揺している私。


そして、私は嘘をついた。






「何か具体的な変化があったわけじゃなくて
 普段と変わらない日常だったんだけど…」


息子にとっては変わらないはず。

そう言い聞かせて
罪悪感を消し去った。





交際相手と会わせたわけでも

私と息子の時間を削ったわけでも

隣で電話したりして
存在を知られたわけでもない。


違うから。








すると

元夫は返答した。