賃貸契約の日も、入居の日も

 
不動産屋さんはこちらの意向に沿ってくれた。
 
 
 
 
お願いした不動産屋は
マイホームを建てる前に住んでいたマンションを
仲介してくれたところだった、
 
 
 
結婚が決まり、
一緒に暮らす家を探すときのことを思い出す。
 
私と夫は、仕事の休みが合わず
一緒に不動産屋に行くことはほぼできなかった。
 
 
多忙な仕事をしていた私と
早く一緒に暮らしたかった彼は
一生懸命、部屋探しをしてくれた。
 
自意識過剰ではなかったですよ、本当に笑
 
そんな時にお世話になった不動産屋さんで
夫の子とも覚えていました。
 
 
「あんなに優しそうで
 人の好さそうな人だったのに。」
 
なんて言われました。
 
 
 
そして、
「こういう状況で部屋探しする方って
 いらっしゃいますか?」
と聞くと、
 
「それが、結構多いんですよね」
 
と。
 
 
 
 
 
そうか。
そうだよね。
 
そもそも世の中が
私と夫と息子と、両家の家族っていうわけではないんだから。
 
広い世の中、
色々な人がいるんだ。
それでいいんだ。
 
 
不動産屋さんも
特に珍しいような風でもなく
そこにも安心した。
 
そう、特別ではない。
気負わなくていいんだ。
 
 
 
 
そして引っ越し業者に見積もりを取りにきてもらった。
 
田舎の一軒家で
町民全部知り合いみたいな町。
 
新築して1年の家に
引っ越し業者ロゴ入りの車が停まっている。
 
今思うと、もう既にご近所では
噂になっていたんだろうな。
 
 
そもそも浮気が発覚した時のひと悶着は、外に丸聞こえだっただろうし。
何故か夫の車は隣の実家に停まっているし。
ご近所の人たちは色々思っていたんだろうな。
 
 
家探しの一軒から
本来の自分を取り戻した私は
 
引っ越し業者さんにも
できるだけ頑張って欲しいと
お願いしまくり、予算を抑えることにした。
 
 
引っ越しはあと5日。
私と息子の分の荷造りをやらなければ。
 
 
 
そして、明日、
夫に家を出ることを伝えることにした。
 
 
何も知らないあの人は
どんな反応をするのだろう。
 
 
喜ぶのかな。
 
 
 
 
 
 
 
覚悟しておけ。
ただでは済まさない。