家探しの日が来た。

 

息子は一時保育に預け、

不動産屋を訪ねる。

 

 

探していた物件は

家賃がこの地域の相場から

2万くらい安いもの。

 

私の収入だけでは

贅沢は許されない。

 

 

 

息子とふたり

間取りは2LDK、2DK、2K

この辺を探した。

 

 

 

 

 

 

家を出る不安は計り知れない。

なるべく、自分の実家の近くに住みたかった。

 

 

いくつか物件を紹介してもらって

内見することに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新築1年も経たない家に住んでいた私。

田舎だったため土地も広い。

 

草花が好きだったので

たくさんの花や木を育てていた。

 

 

 

そこから一転。

築30年以上当たり前。

 

狭く、日当たりも良くない。

トイレは当然、洗浄機能がない。

どころか、便座温機能もない。

 

給湯器は昔ながらのもの。

当然、温度調節はない。

 

壁は砂壁。

床は傷んだ畳。

 

悩ましかった。

 

 

 

それと同時に

悲しかった。

 

 

あの綺麗な家から

息子を引っ越させることが辛い。

 

私が何をしたの。

 

 

どうして私たち親子だけ

こんな目に合わなければならないの。

 

そんなことばかりが頭の中をグルグルして

決めきれなかった。

 

 

 

2日後に、両親も連れて

また内見することにする。

 

 

 

 

また泣けてくる。

なんか、泣いてばっかり。

 

 

前向きではない引っ越しのつらさを

初めて体験した。

 

見えない、暗い未来に向けて歩く。