今まで散々、浮気発覚しても

まぁ、世間的に言えば
体の関係があったわけでもない。

あったかもしれないけど、
それを私が掴めていたわけでもない。



だから。

だから?

だからという訳ではないけど




私はとにかく、離婚したくなかった。

家族揃っていることに意味があると思ったから。





なのに、

なんであの人が離婚したいなんて言うんだろう。


こっちのセリフだ!!





喧嘩している中で
売り言葉に買い言葉だった。

勢いで言った言葉だったのだろう。


でも逆撫でするようなことは言えない。



耐えて、謝って、帰ってたらどう?と言った。








彼は3日後に帰ってきた。


頑張ろうと思う、と。





それから2週間、
なるべく彼を怒らせないように気を遣った。

でも、できるだけいつも通り。


この生活が幸せだと思ってもらえるように。





2週間後、休日。

家族3人で久々にのんびりした日だった。



息子のお昼寝が終わってから、
3人で夕食の買い物に行った。 




何にする?
何欲しい?

楽しく買い物する家族連れ。



レジが並んでいたので、
息子を連れて先に車に戻っていると。

会計が済んで、急いで車に向かった。



後方から近づいた私に、彼は気付いていない。

下を向いている。


何して…あ…










携帯を触っていた。

おかしい。
直感した。









私に気付くと携帯を慌てて隠す。


車に乗り込み、

何してたの?
と聞いた。


友達と連絡取っていたと。




そんなわけない。
普段から男友達と連絡なんて全然取らない人なのだから。




帰宅中、運転している夫から携帯を奪い取った。







キレてる。
事故するかと思った…



絶対にこの携帯を渡さない!
そう思いながら内容を見る。












やっぱり女だった。







自宅に着いてからは、
携帯を奪い返そうとして
見たこともない顔で、聞いたこともない声で叫びながら掴みかかってくる。


私の声も大きくなる。









ピンポーン

チャイムが鳴った。
義母だった。




『何?
   すごい声が、外まで丸聞こえなんだけど』





『ちょうどよかったです。
   お義母さんもみていただいていいですか?』

夫の携帯を見せ、浮気していることを告げた。