主人公は、渡辺瑠璃という16歳の女子高生。

フードプロデューサーとして様々な人気メニューを手掛け、成功を収めた父・早那夫と、それを助ける母・菜々美の元に生まれ、日々幸せに暮らしていた。

しかし、両親の夢であったレストランが完成すると間もなく、母が病気で亡くなってしまう。

その後、父は中島れい子という女性と再婚する。

父と実の母のことを大好きだった瑠璃は、新しく母となったれい子に馴染めないでいた。

そんなある日のこと、父が心筋梗塞で倒れ、この世を去ってしまうのであった。

れい子が父を殺したのではないかと疑う瑠璃だが、証拠を見つけることができない。

思い余った瑠璃は、自分の死によってれい子の罪を告発しようと考えるのだが…。

 

※以下、物語の真相に触れている部分があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先が気になる展開で、サクサク物語が進んでいくので、飽きません。

結末も絵に描いたようなハッピーエンドで、気持ちよく読み終えることができ、良かったと思います。

予想通りの部分と、予想外で、おお、そうなんだ、と思わされた部分と両方ありましたね。

 

早那夫の死の真相については、途中でほぼ予想がつきましたが、それで興味がなくなるというわけではなかったです。

私はそういう時は予想が当たっているかどうか、著者の仕掛けや伏線がどの部分で、どう描かれているかを楽しみに読んでます。

 

裕章の存在に関しては、完全に騙されました。

それほんとにバレないのかな?と思わなくもないですが、映画の話などの伏線も張ってありましたし、住人みんなで協力しているとは普通思わないでしょうし、瑠璃の精神状態も平静ではなかったと考えると、納得できる感じですね。

 

瑠璃は考え方が幼く、思い込みが激しすぎるように感じましたが、まだ高校生ですし、最愛の両親を亡くしたのは物凄いショックだったでしょうから、無理もないかな。

その後、成長していく様子は微笑ましく感じました。

私が高校生の時はもっと幼かったかも(^^;

 

終盤の瑠璃とれい子の対決シーンは、思い込みや気持ちのすれ違いによって悲劇が生まれる展開もあり得たので、そういうのがなくて良かった。

鬱エンドの物語も色々と読んできましたが、やっぱりハッピーエンドがいいなと思う今日このごろです。