出勤時間は、7時頃だったが、朝の強い俺にはそれほど問題ではなかった。 夕方は4時には仕事は終わるのでパチンコ好きにはもってこいで、仕事が終わるとパチンコ屋に直行する人が多かった。 しかし、俺はパチンコにはっていうか、賭け事にはあまり興味は無かったが、 たまーに、ツレに付き合ってお遊びでやり、玉が真ん中に入ると飛行機の羽が開いたり閉じたりして玉が真ん中に集められ、入れ物に山盛りイッパイ出たこともあった。 ビギナーズラックといったところだったのだろう。 


 普通車の免許を取ってからまだ、1年も経っていないので当然、初心者マークを付け、1.5t車のトラックに乗り込んだ。 最初は先輩が助手席に乗ってもらい、トラックの運転の仕方から、販売する商品のこと、スーパーへ行ってからの段取り、次の日の発注の仕方などなどと。


 確か、最初に乗ったトラックがコラム式のマニュアルギアーだったのでハンドルから出ているギアーの使い方に多少戸惑った。 しかし、順次新しいトラックに変わって行き、若者たちには新しいトラックを乗せてもらうことができ、コラム式のギアーではなくなり、問題は無くなった。 普通車と違い、排気ブレーキっていうものが、付いていてスイッチをいれると、アクセルを離したときに、「シューーッ」 って音を鳴らして減速されていくことが面白くて、オートバックスから”サイレンマフラー”?とかを買ってきてマフラー内に取り付けて、以前の 「シューーッ」 って音が、「ピューーーッ」 っていう流星花火のような強烈な音を出すようにしていた。


 トラックで周るルートセールスは、焼津、藤枝地区の一部を任された。 この地区は中部地区でもたくさんのスーパーや八百屋が多くて、何人かで周っていた。 ルートセールスっていうか、営業がむいていたのか、仕事が楽しくて、お店の従業員とも仲良くなり、同じ時間帯に納入している納入業者とも仲良くなり、あっという間に慣れていき、、、道にも詳しくなかったが、スーパーを中心に道路も憶えていった。