初めてご訪問いただいた方はこちらをどうぞ→息子と糖原病Ⅵ型
息子は先月8歳になった。
3歳健診で肝腫大を疑われたが、かかりつけ医が見逃した。
3歳半健診でやっと専門医にかかり、ここで糖原病の疑いを受けた。
その後5度にわたる検査入院を経て(決定打は遺伝子検査だが)糖原病Ⅵ型という診断がついた。
コロナ禍に入ってしまったので、息子はおそらく同じ保育園の誰よりも早く「一人の夜」を経験した。
診断がついたのは5歳。
最初の疑いから2年ほどかかった。
息子のⅥ型は極度な低血糖に陥らないから、発見が難しい。
そこからさらに3年。
主治医の先生、病院関係者の方々、保育園、小学校…
様々な方のご指導とご配慮によって食事療法は順調に進んでいる。
心配された低身長も今は-0.2SDにおさまっている。
運動能力もスポーツ塾での跳び箱のテストは次々パスしているし、25mの半分まで泳げるようになった。
どうやら運動能力の遅達も顕著ではなくなってきたようだ。
今は7回食。
毎度毎度糖質は管理下に置かれ、いまや息子も「炭水化物」の漢字を読めるようになった。
だから僕たち夫婦が補食を用意し忘れても、コーンスターチと一緒に摂るべきスナックは自分で選べる。
本当に元気にすくすくと成長してくれている。
息子が難病を抱えていることを、平穏な日常生活の中でときに忘れてしまうほどだ。
でも、息子は糖原病というこの不治の病を一生抱えていかねばならない。
これは消しようのない事実だ。
そんな8年間の「軌跡」に思いを巡らせながら、先日あるドラマの一セリフが心に刺さった。
「元気になるってどういうこと?生まれたときからずっと病気だからわかんないよ!」
「Ⅵ型は低血糖が顕著でない」と書いたけど、それは数値上の話。
息子は元気に見えるけど、本当は健康な人にとってはしんどさを感じる部分があるのかもしれない。
生まれたときからずっとそうだから、息子はそれを「健康」な状態だと思っているのかもしれない。
ずっと甘やかしてきたので、最近息子には厳しくしている。
ごはんのマナーが悪いこと。
本をちゃんと読まないこと。
生活の中心が任天堂switchであること。
もちろんしつけはちゃんとしておかなければならない。
でも…。
息子の病が触診で発見できたのも…。
食事療法が当たってここまで身体的に順調に成長できたのも…。
その食事療法に協力してくれる保育園や先生方との出会いも…。
もしかしたら息子が食事療法についてこんなに物わかりがいいのも…。
そんな息子が僕たち夫婦を選んで生まれてきてくれたのも間違いなく「奇跡」なんだろうな。
…って考えると、最近少し厳しく当たっている自分に嫌悪感を覚えるときがある。
でも甘やかさないけどね
息子よ、8年間よくがんばってきてくれたね。
これからもがんばろうな。
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