思えば息子の肝腫大。
最初にその違和感に気づいてくれたのも、この保育園での健診だった。
息子の病の歴史は、この保育園に通った3年間の歴史でもある。
息子の身長は入園から19cm伸びた。
この時期の子どもは一年間に平均6cmずつ伸びるというから、低身長をきたすこの病を抱える息子は、よく食事療法に耐えている。
そんな食事療法に細かく気を配ってくれた保育園。
・糖質はは50g取らせてください。
・やっぱり45gまでにしてください。
・制限糖質は体重分(g)でお願いします。
・間食は25gでお願いします。
ときに夕食をお願いする日があっても、ことごとくこんな細かいリクエストにこたえてくれた。
園なくして、ここまでの息子の身長の伸びはなかった。
両親が驚くような大人びたしぐさも、言葉遣いも。
計算力も書き取り力も、家では一切スイッチの入らない息子を育ててくれた。
心身ともに息子を温かく育ててくれた園。
コロナもあって本当に運営に頭を悩ませたことだろう。
同業者として、それは痛いほどわかる。
それでも、きめ細やかに気を配り愛情を注ぎ続けてくれた。
親の参加できる行事も2年間はすべて中止になった。
だから、思い出が作れなかった?
もっと、参加させてほしかった?
…とんでもない。
この園での3年間は息子の人生の半分。
「親として」の人生の半分。
そして闘病生活のぜんぶ。
思い出以外に何があろうか。
感謝以外に何があろうか。
「ありがとう」
言葉にしてしまうとたった5文字に過ぎない。
そんな5文字になどとうてい収めきれない、形にすることのできない想い。
「感謝」ってこんな感情なんだな…って教えてくれた。
よくわからない感情で涙が出てくることまで僕に教えてくれた。
パパとママの仕事の都合で夜遅くまで残ることもあったけど、ぽこちゃん、本当によく頑張ってくれました。
キミの頑張りは、とてつもないものだったけれど。
キミの人生の半分は、とてつもない素敵な先生たちに支えられて送ることができたことを忘れないでね。
ランドセル背負って、元気な顔を見せに行こうね。
全4回の予定だった卒園連載が6回に。
それほどまでに素晴らしい園で、素敵な出会いがありました。
《了》
