海上自衛隊とフィリピン海軍の協力関係が進展しつつあります。
 今年5月、海賊対処を終えて帰国途中の護衛艦「はるさめ」「あまぎり」は、マニラ西方海域でフィリピン海軍のフリゲート艦1隻と共同訓練を行いました。
 日比共同訓練はこの時が初で、昨年4月に日米中や東南アジア各国などで合意した海上衝突回避規範(CUES)に沿った通信・戦術訓練を目的として行われました。
 また、6月22~26日には、中国が埋め立てを強行したスプラトリー諸島に近い海域を訓練場所として、海上自衛隊P3C哨戒機を使ったフィリピン海軍との捜索・救難訓練も実施されました。
 本年1月の日比防衛相会談では、グアムで毎年実施している日米両国とオーストラリアの共同訓練「コープ・ノース・グアム」へのフィリピン空軍の参加を目指すことで一致しており、日米比豪への枠組み拡大が視野に入っているといえましょう。
 共同訓練の実施は、東シナ海及び南シナ海での安全航行及び災害を含めた多様な事態への対処力強化に向けて大変有意義なものであると理解できます。