
「深雪くん」
「あ、夏帆ちゃん」
笑顔でぶんぶんと手を振っていた
その素振りがなんだか可愛くて。
私も笑顔と行動に連られて手を振り返した
「ごめんね。深雪くん」
「え、もしかして映画の件、駄目だった…とかかな」
深雪くんはしょんぼりとした悲しそうな顔になる
それが可愛くて、違うと断言否定した
そしたら次は疑問に思ったようできょとんとした顔になった
「じゃあ何」
「えっとね、幼馴染の秋が一緒に行きたいって」
「あ…藤原くんね」
どうやら秋の存在を知っているようだ
それなら安心だった
「秋の存在知ってたんだ」
「そりゃあ、ね。うん。有名だもん」
やっぱり男子の間でも人気なのかと秋の人気の凄さを実感した
誰からも好かれてるもんね。って思ったけど
どうやら深雪くんはちょっと歪んだ顔を見せたので、少しばかり苦手な人なのだろう。
「もしかして、深雪くんは秋のこと苦手、だったかな」
「ううん!!違うの。その…夏帆ちゃんは大丈夫なのかなって」
「え」
それはなんのことだろうと不思議に思った
何にも思わないし、むしろ多ければそれは楽しいんだと思っている
「男子を2人も連れて歩く、だなんて。あ、僕でも駄目だったかな」
「そんなこと思わないし今の今まで感じてなかった」
「じゃあ、大丈夫かな」
深雪くんは深く考えすぎだ
名前、だけにとか。
ちょっと心配性なのが不安だけれど
「じゃあよろしくお願いします」
「うん。わかった」
秋のことは苦手ではないらしい。
それならばよかったのだ
私は深雪くんと別れ教室へと戻った。
