私だけのサンタクロース Cocktail Story~


 「サンタクロースって本当にいるのかな」
 小学生のころの私は、母に何度も聞いたことがあった。
その度に母は、
 「いるよ。みんなが良い子にしてるか、見ているんだよ」
と、答えていた。

 小学生でも高学年になってくると、母を困らせるようになってきた。
 「どこの国の人?」とか、
 「何人もいるの?たくさん子供がいるから、一人じゃ無理だよ」
なんて・・・。

 サンタクロースが本当にいると信じていた私に、ショックな出来事があった。
 ある日、国語辞典を何気なしに見ていると、サンタクロースの項目が目に入った。

きつねのブログ

 サンタ‐クロース【Santa Claus】
 クリスマスの前夜、子供たちに贈り物を届けるという白ひげの伝説上の老人。

 そのこと以来、大人不信になったことが一時あった。
 そんな私もいまは26歳。職業は保育士。ちっちゃな子供から
 「サンタさんて、どこにいるの?」
とか、
 「サンタさんて、アンパンマンのおともだち?」
 子供の透き通るような目を見てると、『いないよ』なんて、とても言えない。
母の気持ちが少しわかったような気がした。

そんな12月のある日、電話がかかってきた。
 「美香、吉田です」
 「久しぶり~」
 「ぶりぶり~」
 「クスッ。で、どうしたの?」
 「この25日、空いてるかな」
 「うん、予定はなし」
 「じゃさ、6時にマクドの前で」
 「いいよ」
 高校時代に憧れ続けてた、先輩からの電話だった。

 そして、25日。とあるバーにて。
 「俺さ、来年こっちに帰ってくるんだ」
 「ほんとうなの?」
 大学出て4年働いたけど、やっぱぁ、家つがなきゃ。親父も年だし」
 「ふーん、そうなんだ」
 「すいませーん、ターキーのロックおかわり」
 
きつねのブログ


 「私ももう一杯飲んじゃおっと」
 「いいよ。じゃ彼女にクリスマスカクテルを何か」
 「かしこまりました」
 
 心地よいシェークの音がBARに響き渡る。
 そして・・・


きつねのブログ

  
 「わぁ、きれい。名前は?」
 「Noël vertという名のカクテルです」
グリーンの色が眩しいカクテルだった。

 「どお?気に入ってもらえた?」
 「うん、満足」
 「それと、もうひとつ、これ」
それは、赤いリボンで飾られた包みだった。

きつねのブログ

 美香はその時思った。
 『サンタさんは伝説上の人物だけど、恋する人の心にいるものだと』 



きつねのブログ



12月25日。皆さん、素敵なクリスマスを過ごして下さいね。


24日、不覚にも22時前には寝てしまった・・・哀れな?きつね ♂でしたw 凹○コテッ