食べるもので腸内環境が変わる!

 

 

 

善玉菌を増やして腸内環境を良好に

便は単に食べ物の残りカスが集まったものではありません。健康な人の場合、便の7~8割が水分で、残り2~3割を腸内細菌とその死骸、腸からはがれた粘膜、そして食べ物の残りカスが占めています。

健康な腸内環境であれば、便はそれほど強い臭いはしないもの。腸内細菌のなかの乳酸菌やビフィズス菌といった「善玉菌」が、食べ物のカスを発酵させ、腐敗の進行を抑えてくれるからです。しかし、大腸菌などの「悪玉菌」が増えると腸内環境が悪化。臭いのキツイおならが出たり、便に悪臭がするようになったりします。

腸内環境が悪化するいちばんの原因は、「腸内細菌叢」のバランスが崩れてしまうこと。悪玉菌が多く善玉菌の少ない環境では、腸の中の有害物質が増える一方です。ヨーグルトや漬物、味噌など、乳酸菌を含む食品を継続的にとることで、善玉菌が優位に働く環境を整えることができます。

また、食物繊維の働きも腸内環境に大きく影響を与えます。食物繊維は腸内で善玉菌のエサになるほか、便をやわらかくしたり、便のカサを増やしたりして便通を整える働きがあります。便が腸に長くとどまれば、それだけ悪臭がしやすくなるのも当然ですから、食物繊維をとって便秘を防ぐことも大切なのです。

食べるもので腸内環境が変わる

 

 

善玉菌

食べ物を分解・発酵、栄養やエネルギーへ。

日和見菌

善玉菌・悪玉菌、いずれか多いほうに変わってしまう。

悪玉菌

食べ物を腐敗させ有害物質に。体を蝕んでしまう。

善玉菌が多い人

腸をきれいに保つ食物繊維や野菜をたくさん摂取している人の腸には多くの善玉菌が。自然と腸内もきれいになり、健康で活き活きとしています。

悪玉菌が多い人

腸内は腐敗しておならやウンチが臭くなります。体調も悪く、さらには口のにおいまで臭くなってしまうこともあります。

みなさんは「栄養素」といえば何だとおもいますか?

私たちの健康を維持するために必要な栄養素にはたんぱく質、炭水化物、ビタミン、脂質、ミネラル……など実にたくさんの種類があります。そんな中でも、まず知っておくべきことは栄養は「バランスが超重要」ということです。1種類だけでは、いくら栄養価が高くても、うまく体に吸収することは困難です。それは、栄養素が歯車のひとつひとつだとしたら、1枚では意味を持たず、全体がうまくかみ合って動き出したとき、大きな意味を持つことと同じです。

炭水化物ってどういうもの?

食事の中には様々な栄養素が含まれていますが、その中でも特に重要な「炭水化物」について説明しましょう。「炭水化物」は、たんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素のひとつ。体内でエネルギー源として利用される「糖質」と、消化されずエネルギーとして利用しにくい「食物繊維」からなり、これらを合わせて炭水化物と呼びます。よく炭水化物と糖質が同じ意味で使われることがありますが、厳密には炭水化物≠糖質なのです。

糖質はその構造によって、単糖類、二糖類(少糖類)、多糖類などに分けられます。このうち、ブドウ糖や果糖などの単糖類、ショ糖や乳糖などの二糖類を合わせて「糖類」と呼びます。糖質と糖類も混同されやすい言葉ですが、糖質という括くくりのなかに糖類があると考えるとわかりやすいでしょう。糖類のなかでもブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源であり、私たちの体に欠かすことができません。

 

 

炭水化物とは糖質+食物繊維

食物繊維の働きは、腸で余分な物質を吸着して体外へ排泄すること。水分を吸収して膨らみ、余分な糖質や脂質の吸収を抑える「水溶性食物繊維」と、水に溶けず腸を刺激し、便のかさを増やす「不溶性食物繊維」に分けられます。

人間は1日に摂取するエネルギー量のうち、 50~60%を炭水化物からとることが望ましいといわれています。食物繊維の摂取量は男性20g以上、女性18g以上が1日の目標です。健康的な食生活の目安にしましょう。