核のゴミ(かくのごみ)は、正しくは、高レベル放射性廃棄物(こうれべるほうしゃせいはいきぶつ)と言う。
小学生(しょうがくせい)でも知っている、東京電力(とうきょうでんりょく)の貯蓄(ちょちく)タンクにあるトリチウム水は、高性能ALPSがトリチウム以外の放射性物質をとりのぞいた水である。
トリチウム以外の放射性物質はどこへ行く。
放射性物質は、放射性物質除去装置(じょきょそうち)である高性能ALPSに残る。
正しくは、高性能ALPSの浄化能力(じょうかのうりょく)が落ちると交換(こうかん)できるフィルターが付いた吸着塔に残る。
高性能ALPSには吸着塔が10数ある。
高性能ALPSの吸着塔に残った放射性物質はどうなる。
東京電力によれば、東京電力が言う放射性物質のスラッジの水抜きをして、“2020年度中に”、保管容器(ほかんようき)に入れて、保管場所(ほかんばしょ)に移送(いそう)または輸送(ゆそう)すると言った。
今年は何年だ。
2026年。
すなわち、保管場所はまだ決まっていないで、スラッジを入れた保管容器は移送または輸送されていない。
過疎(かそ)の自治体(じちたい)にうんと言わせようと、ほっぺたを交付金でたたいても、うんとは言う自治体がない。
半減期が数万年数億年の放射性物質の保管である。
近づけば即死(そくし)だ。
ちょっと考えてごらん。
ニッポンニッポン高性能の保管容器、保管想定(ほかんそうてい)は何年だ。
放射性廃棄物の最終処分場(さいしゅうしょぶんじょう)があるのは、世界でただ1つ、フィンランドのオルキルオト島のオンカロだけである。
オンカロの保管想定は、“たった10万年”。
チェルノブイリ原子力発電所の4号基が爆発して、チェルノブイリ原子力発電所を石棺にしたが、応急措置(おうきゅうそち)ではあったが、耐用年数(たいようねんすう)30年と言われた。
今、再石棺と言われる石棺をおおうシェルターの建設が最終段階(さいしゅうだんかい)に入っている。
耐用想定年数(たいようそうていねんすう)は100年。
ちなみに。
1チェルノブイリ原子力発電所の4号基が爆発したのはソビエト時代の1986年である。
2爆発直後の退避命令は4000㎢(≒63㎞四方)の外。その後30㎞以内の立ち入り禁止。
34号機が爆発したとき、1号基•2号基•3号基が稼働(かどう)していた。
4ソビエトは、ウクライナの電力事情(でんりょくじじょう)で、4号基が爆発したあと、1号基•2号基•3号基の稼働を停止(ていし)しなかった。
5ウクライナがソビエトから独立したのは1991年である。
62号機は1991年に火災(かさい)が起きて稼働を停止、1号基は1996年にウクライナ政府が国連(こくれん) ととりひきして稼働を停止、3号基は2000年にレオニード-クチマ大統領がEUととりひきして稼働を停止した。
7石棺は、大半(たいはん)は産業用ロボットの遠隔操作(えんかくそうさ)で、わずか半年(はんねん)の突貫工事(とっかんこうじ)でつくったもので、風雨(ふうう)にさらされる石棺の耐用年数を30年と想定(そうてう)して、その後をどうするかの検討が進められていた。
8ウクライナ政府はおんぶにだっこで、2010年、ヨーロッパ復興開発銀行(ふっこうかいはつぎんこう)の融資(ゆうし)で、アーチ状鋼構造(あーちじょうこうこうぞう)の“新安全閉じ込め設備(しんあんぜんとじこめせつび)”または”再石棺(さいせきかん/さいせっかん)“と言われるシェルターを、フランスの会社が着工(ちゃっこう)した。
① シェルターの面積は東京ドームと同じで高さは倍(ばい)。
② シェルターをレールの上を動かして4号基をおおう石棺をおおう。
③ レールの上を動けば、世界最大の「動く金属製の構造物」になる。
④ 推定コストは3500億円。
*高性能ALPS(こうせいのうあるぷす)=日本の日立製作所がつくった放射性物質除去装置。*放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)=平均以上の放射能(ほうしゃのう)を持つ物質。天然物質(てんねんぶっしつ)と人工物質(じんこうぶっしつ)がある。*吸着塔(きゅうちゃくとう)=とりにぞきたいものをすいつけるためにつくったもの。*スラッジ=1泥(どろ)。沈殿物(ちんでんぶつ)。汚泥(おでい)。2放射性物質除去装置が除去した放射性物質の泥。*保管容器(ほかんようき)=放射性物質を外にもれないようにとじこめておくもの。*交付金(こうふきん)=財政支援金。*半減期(はんげんき)=寿命(じゅみょう)のおよそ半分になる(=放射線の強さが半分になる)までの時間。*EU(いーゆー)=ヨーロッパ連合。政治•経済•安全保障などで一体化(いったいか)を進めるヨーロッパ諸国の組織。*石棺(せっかん/せきかん)=ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の4号基がメルトダウンして爆発し、原子炉建屋(げんしろたてや)の天井や壁の1部が飛び、放射性物質が外へ飛ぶのを防ぐために、4号基全体をコンクリートや鋼材(こうざい)でおおったもの。*再石棺(さいせっかん/さいせきかん)=新安全閉じ込め設備(しんあんぜんとじこめせつび)。フランスの会社が建設した、推定コスト3500億円、耐用想定年数100年の、石棺をおおう、アーチ状鋼構造(あーちじょうこうこうぞう)のシェルター。*チェルノブイリ=1ウクライナ(もとロシア)の首都キエフの北方100㎞にあった都市の名前であるとともに原子力発電所の名前。イヴァーンキウイと名前を変える。2チェルノブイリ原子力発電所4号基の爆発事故。1986年4月26日発生。*メルトダウン=原子炉の中の核燃料のコントロールができなくなって核燃料その他がとけて落ちること。炉心溶融(ろしんようゆう)とも言う。