やっと北海道に工場の建設が始まる、Rapidus。

Rapidus:ラピダス(らぴだす)は、2022年8月、トヨタ•デンソー•ソニー•NTT •NEC •ソフトバンク•キオクシア(KIOXIA)•三菱UFJ 銀行、8社がつくった、‘先端半導体’の量産化をめざす株式会社の名前である。

8社の‘出資総額’、約70億円。

日本政府はRapidusの研究開発拠点の整備などに約700億円支援すると言ったが、Rapidus株式会社の出資総額’約70億円は何に使ったんだ。

バカ新聞テレビは、ニッポンニッポン、Rapidus、Rapidus、と太鼓を叩いたが、その後のニュースはまったくなかった。

2022年11月。

半導体のイロハもわからない岸田が、ペーパーを読んだ。

「Rapidusは、官民一体となって、‘先端半導体’の量産化に向けたプロジェクトに乗り出すもので、各社の技術を結集し、巻き返しを図る。2nm 以下の‘先端半導体’の量産を目指す」

アメリカ•中国•韓国が国家戦略をEVから自動運転EVに切り替えたことから、世界の半導体メーカーは“最先端半導体”の開発にしのぎを削っている。

日本政府が4000億円支援した、TSMC とソニーとデンソーの合弁?熊本工場がつくる半導体は、22nm ~28nm である。

自動運転EVに必要なのは“最先端半導体”である。

“最先端半導体”は、5nm ~7nm 半導体で、さらに進化している。

岸田の読んだペーパーの「2nm 以下の‘先端半導体’の量産を目指す」は、それを意識したものだ。

しかし、22nm ~28nm 半導体は、自動運転に対応しない自動車や家電用の半導体である。

日本の半導体開発製造販売会社が国内で生産できるのは、レガシープロセスと言われる、40nm 半導体である。

日本の半導体開発製造販売会社は、国賊東大官僚の言うことを聞いているうちに、ほとんどつぶれ、技術者は消えた。

熊本工場は完成したが、たぶん、日本では、TSMCが要求する、充分な技術者を確保できない。

TSMCは、たぶん、それを見抜いて、熊本工場で22nm ~28nm 半導体をつくると言った。

北海道で工場の建設が始まるRapidus の社長が「2025年4月から試作ラインを稼働させる、IBMと戦略パートナーシップを締結した」と言っているのも、岸田の読んだペーパーの「2nm 以下の‘先端半導体’の量産を目指す」を意識したものだ。

しかし、Rapidusは、IBMが要求する、充分な技術者を確保できるのか。

何度も書いたが、“最先端半導体”の開発には、多くの半導体メーカーが開発をやめるほど、何十億ドルものカネが必要である。

さらに、次のようなことが要求される。

① サプラヤー認定の厳格化。

② サプライチェーンの調整

③ 調達プロセスの調整。

④ 技術管理の強化。

⑤ 生産計画の点検。

産業の米と言われる半導体は、ゲーム機から家電•自動車•飛行機•ロボット•医療機器•兵器まであらゆる機械製品に不可欠(ふかけつ)で、半導体の不足は続き、半導体の需要は拡大する。

アメリカが半導体産業に7兆5000億円以上、EU が6兆2000億円以上投入すると言っているのは、半導体不足•拡大する半導体需要に対応するためだ。

“戦略パートナーシップ”はRapidus とIBMに利益があることを前提とする協力関係である。

IBMは、Rapidusに、“最先端半導体”ではなく、需要が拡大する半導体をつくらせようとしているのではないか。

北海道の工場の実体はIBMの下請け工場で、日本政府は、IBMに利益が出るように、税金を突っ込むことになるのではないか。

(バイデンと岸田の会談、RapidusとIBMの代表の日本の通産大臣とアメリカの商務長官の会談への参加、は、“戦略パートナーシップ”の確認である。報道で、ニッポンニッポン‘国策会社Rapidus’の設備投資資金の総額は、5兆円でも足りないと言われている)

 

*IBM(あいびーえむ)=アメリカのニューヨーク州にある世界的コンピューター関連機器の開発製造販売サービス会社。*岸田(きしだ)=日本の総理大臣。*ペーパー=1紙。2資料/記録。3原稿。特に答弁や会見のときに読むために用意された専門家がつくった原稿やメモ。*nm(なのめーとる)=長さの単位で10億分の1メートル。100万分の1ミリ。*EV (いーぶい)=略語EV の意味は多数。よく聞くEVは、、電動輸送機器のことで、特に電気自動車/バッテリー自動車を言う。*TSMC(てぃーえすえむしー)/台湾積体電路製造(たいわんせきたいでんろせいぞう)=世界最大の半導体製造販売会社。正式名称は台湾積体電路製造股份有限公司。*レガシープロセス=時代遅れの半導体製造技術。**サプライヤー=供給者/商品の製造業者•原料の供給国。小売業者にとってのサプライヤーは製造業者•生産者•問屋など、工業製品製造業者にとってのサプライヤーは部品製造業者•原材料製造業者•製造機械製造業者•商社など、輸送業者などを含む、意味多数。*サプライチェーン=供給連鎖/供給業者の繋がり/ある製品が出来るまでの原材料の供給元の繋がり。または、ある商品が製造から客に届くまでの繋がり。*プロセス=1仕事の手順。2仕事の経過。3加工。4コンピューター用語。実行単位。誤解を恐れずに言い換えると半導体の能力。レガシープロセスは時代遅れの半導体の能力。先端プロセスは先端的半導体の能力。〇〇プロセスは、半導体の能力を示すもので、〇〇に〜nmなどが入れば、コンピューターを動かすのにかかる時間と思えばいい。〇〇の数字が大きいほどレガシープロセスである。