日本が先進国から信用されない理由はいっぱいあるが、理由のすべてが日本の存亡にかかわるものである。

ルネサスエレクトロニクス株式会社の問題は、資本主義の根幹にかかわるものである。

『怪しいルネサスエレクトロニクス株式会社』(1)~(5)で書いた、ルネサス(a)とルネサス(b)の摩訶不思議に、ルネサス(c)が加わる。

ルネサス(c)の前に、ルネサス(a)•(b)を再確認する。

ルネサス(a)。

会社設立 : 2002年11月。

本社所在地 : 東京都江東区。

社長 : 柴田英利(しばたひでとし)。

従業員数 : 2万1017人(2022年12月末、連結)。

社長略暦 : 1972年神奈川県出身。県立相模原高校卒業、東京大学工学部卒業、米ハーバード大学経営大学院で経営学修士号取得。JR東海、メリルリンチ日本証券、産業革新機構などを経て2013年10月ルネサスエレクトロニクス取締役、執行役員常務兼最高財務責任者(CFO )を経て19年7月から現職。50歳。

資本金 : 1532億円。

事業内容 : 半導体製品の設計•製造販売。

業績(22年12月期 <IFRS>、連結) : 売上収益1兆5008億円、営業利益4241億円。

ルネサス(b)

2010年、国賊東大官僚の差配(さはい)で、三菱電気・日立製作所・NECの半導体製造子会社が合併してできた。

2011年、東日本大震災で主力の日立系那珂工場の被災もあって、大きな負債を抱えることになった。

2012年、国賊東大官僚が支配する産業革新機構が救済に乗り出し、国有化された。

産業革新機構は、帳簿上の黒字化を急ぎ、工場閉鎖や従業員整理などリストラに継ぐリストラで、ルネサスの売り上げは2018年までに 4割減った。

同年、国賊東大官僚が責任をうやむやにしようと産業革新機構を産業革新投資機構と名前を変えると、民間出身の役員全員が辞任した。

産業革新機構も産業革新投資機構も株式会社であるが、官僚天下りの官民ファンドで、怪しいM&Aをくり返した。

2021年6月、産業革新投資機構は、同年3月の那珂工場の火災はルネサスの存続にかかわるものであったにもかかわらず、那珂工場は100%回復したと発表したが、全体のバランスシートがどうなっているか誰にもわからない、キョンシー企業である。

ルネサス(c)。

会社設立 : 2002年11月1日。正式社名 : NECエレクトロニクス株式会社。

会社住所 : 川崎市中原区下沼部1753番地。

社長 : 戸坂馨(とさかかおる)。

社員数 : 6072人(2003年4月30日現在)。

社長略暦 : 東京都出身•熊本大学卒業•NECに就職、以下省略。

主要株主 : 日本電気(略称NEC) 100%。

事業内容 : 半導体製品。

2003年7月24日、東京証券取引所1部に上場。

一方、日立•三菱は半導体部門を分離統合してルネサスエレクトロジ株式会社を設立した。

記者名なしの半導体関連専門誌の解説は、回りくどくあれこれ言ってるが、要するに、NECエレクトロニクス株式会社とルネサスエレクトロジ株式会社が利益を出すことに苦しんだ話である。

2010年からルネサス(b)と同じである。

ルネサス(a)•(b)•(c)で1番怪しいのはどれか。

権力と癒着している(ニューヨーク-タイムズ)日本の新聞テレビの報道を鵜呑み(うのみ)にする人はともかく、毎日新聞のエコノミストを読んでる人は、1972年生まれの柴田英利が2002年11月にルネサス(a)を設立(設立時の資本金不明)したことに当然疑問を持つ。

「事業内容」と「人物略暦」から浮かび上がるルネサス(a)と柴田英利の疑問は、『怪しいルネサスエレクトロニクス株式会社(5)』でるる書いた。

 

*官民ファンド(かんみんふぁんど)=政府と民間がカネを出すファンド/その組織。国民に官と民が協力しているように見せかける名称で、実態は、民間がカネを出すことはなく、何千億円~何兆円という出資金は、99%税金で、官僚の天下り先の失敗しても責任を取らない偽装役所である。*ファンド=使う目的を決めて集めた金、そしてその金を使う組織。*偽装役所(ぎそうやくしょ)=A 経営に必要な資金•建物•工場•運送手段•通信手段その他が100%税金によるもので、経営に必要な資金•建物•工場•運送手段•通信手段その他が100%税金による組織。B 半官半民を装って100%近く税金による組織。産業革新投資機構など多数。C 税金の免除や補助がある組織。外郭団体•公益財団法人など多数。→きっちょむ辞書。*M&A(えむあんどえー)=企業の合併と買収。*キョンシー企業(きょんしーきぎょう)=政府や銀行の支援によって倒産しない企業。*ニューヨーク-タイムズ=アメリカのニューヨークにある世界で最も権威がある新聞の1つと言われる新聞/新聞社。